【Premiere Pro】キーフレーム不要! 文字の装飾・デザインに使えるエフェクト5選
前回の記事で紹介した、エッセンシャルグラフィックスのアピアランス。アピアランス設定だけでも幅広いテロップデザインが作れますが、エフェクトを組み合わせることで文字装飾は更に広がります。
キーフレームを設定しなくても、ものによってはクリップに適用するだけで、良い感じの効果を与えてくれるエフェクトもあります。エフェクトやキーフレームに苦手意識のある初心者さんでも簡単に使えるので、ぜひ試してみてください。
テロップにエフェクトを使うと何が良いのか?
テロップ用のクリップには、エフェクトも使用します。
エフェクトを適用する目的は、大まかに以下の2つが挙げられるでしょう。
- 出現などのアニメーションを設定する
- テキストスタイル・デザインを整える
文字を出現させる、揺らす、などアニメーション表現はもちろんのこと、アピアランスだけでは出来ない・設定が面倒なテキストデザインを作るときにもエフェクトを使います。画面内の文字全体にグラデーションをかける、立体風の表示にする、などが代表的です。
アピアランスとエフェクト、どちらを使っても大差ないものもあるでしょう。
代表的な効果がドロップシャドウ。
アピアランスの方でシャドウを設定したテキストを、エフェクトコントロールで見てみましょう、ソーステキストのところに、キーフレームの設定はありますよね。
しかし、キーフレームを設定しても、キーフレーム間で徐々に変化はしてくれません。
例えば、以下のようにシャドウがゆっくり消えていくアニメーション。このような“徐々に変化”するアニメーションを付けたい場合は、エフェクトのほうが向いています。
反対に、アピアランスで設定できる表現でも、エフェクトを使う場合があります。
エフェクトを利用するメリットは、アニメーションの設定以外にも、以下のような事も挙げられます
- アピアランスより設定が楽なことがある
- クリップに一括して設定ができる
例えば、先程のドロップシャドウ。
エフェクトをダブルクリックでクリップに適用するだけで、それなりの影をつけてくれます。アピアランスの“シャドウ”よりも、エフェクトのパラメーターの方がシンプルなので、調整するのが「わかりやすい」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
基本的に「必ず〇〇を使わねばならない」なんてルールはありませんから、選択肢が複数ある時は使いやすい方を使えばOK。タイトルアニメーションやテロップアニメーションを作るわけじゃない、という時でもエフェクトは使えるのです。
Premiere Proを始めたばかりで、キーフレームで設定していくのは苦手意識が…という方も、まずエフェクトのパラメーター設定に絞って使ってみることで、後々キーフレームと組み合わせるのも楽になりますよ。初心者の方こそ、キーフレーム設定無しで効果を発揮してくれるエフェクトを試してみましょう!
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適用するだけでOKなエフェクト5選
キーフレームの設定なしでも、テキスト(テロップ)の雰囲気を高めてくれる・リッチな印象にしてくれるエフェクトを使ってみましょう。初心者の方でも使いやすい・動画のジャンルを問わずに使いやすいエフェクトに絞って、5つ紹介します。
エフェクトの効果がわかりやすいよう、以下のシンプルなクリップで設定してみます。
1. ドロップシャドウ
最初に、上の例でも使ったドロップシャドウを見ていきましょう。
ドロップシャドウはオブジェクト(シェイプやテキストなど)の影を落としてくれるエフェクトです。
ビデオエフェクト > 遠近 > ドロップシャドウ
クリップに適用すると、右下方向に薄っすら影が付きます。
エフェクトコントロールを開いて見てみましょう。アピアランスとは異なり、それぞれのパラメーター毎にキーフレームが設定できる事がわかります。
設定できるパラメーター自体は、前回見たアピアランスのシャドウと似ていますね。
ドロップシャドウエフェクトで違うのは、以下の3点くらい。
- シャドウのカラー(色)はベタ塗りのみ設定可能
- ドロップシャドウエフェクトではサイズの設定が出来ない
- シャドウのみの表示ができる
なお、ドロップシャドウのエフェクトは、テキストのアピアランス設定によって影が付く位置が違います。例えば、アピアランスで背景(テキストボックス)を作っている場合は、背景にドロップシャドウが付けきます。
思ったところに影が付かない場合は、アピアランスを見直してみましょう。
2. アルファグロー
テキストの外側に光っているような効果をつけるには、アルファグローというエフェクトがよく使われています。
ビデオエフェクト > スタイライズ > アルファグロー
クリップに適用してみましょう。
……なんだか、カクカクしていますし、色も汚く見えますね。
アルファグローはGlowと言うだけに、画像の周囲を光らせたような効果を付与します。
今、下のトラックに敷いているカラーマットは白=明度100%です。
対して、デフォルトの開始色は薄いグレー。更に半透過状態なので、白背景の上に置くと「輝き?」という見た目になっています。
カラーマット(白)を非表示にし、背景を黒っぽくしてみましょう。
エフェクトによる発光感がわかります。
アルファグローのパラメーターは少なめで、シンプル。
グローで設定している数値が大きいほど、グローの広がりが大きくなります。
大きく設定すると、角に光の筋のような演出が確認できますね。
数値が小さい時にカクカク見えていたのも、この表現があるためです。
アピアランスのシャドウでを使って外側を囲うよりも、アルファグローを適用したほうがギラギラした雰囲気が出ます。
明度は不透明度を変えることで、設定した色が強く出るか否かを調整しています。
これは、後ろを白もしくは透明グリッド表示にすると確認しやすいです。
終了色は、グローの外側の色。
設定したい場合は「終了色を使用」にチェックを入れてください。
3. ベベルアルファ
ベベルを使うと、オブジェクトに立体感や質感を加えることが出来ます。
ビデオエフェクト > 旧バージョン > ベベルアルファ
(※ Premiere Proのバージョンによっては遠近に入っていることもあり)
プレビューの表示倍率によってはわかりにくいかもしれませんが、適用しただけでも軽く立体感が出ています。
ベベルでは面取り(角を斜めに切り落とす)をして、出来た面に光と影を設定しています。
パラメーターの“エッジの太さ”が角を落として作る面のサイズ、と考えると分かりやすいです。
数値を大きくしたほうが立体感が強まりますが、上図のように不自然な部分も出てくるので注意が必要。
ベベルアルファとベベルエッジの違い
エフェクトにはベベルアルファだけではなく、ベベルエッジというものもあります。
この2つは、ベベルを設定する基準が違います。テキストの見た目を整える目的では、ベベルアルファを適用することが多いでしょう。
4. 4色グラデーション
4色グラデーションは、4色のグラデーションを作成・合成できるエフェクト。
テキストに適用する場合、アピアランスからグラデーションを設定するのとの違いは以下の点が挙げられます。
- 複数行・複数テキストに分かれていても、一貫したグラデーションが適用できる
- 複雑なグラデーションを作れる(アピアランスは単一方向)
- キーフレームを打てば、モヤモヤと動かすことも可能
では、設定を見てみましょう。
ビデオエフェクト > 描画 > 4色グラデーション
クリップに適用。
これまでよりも、パラメーターの数が多いですね。
上部の“位置とカラー”は、グラデーションを作るための色と位置の設定です。
エフェクトを選択すると、4つのポイントを示す マークが表示されます。
色、ポイント(
“位置とカラー”の下にあるブレンドでは、数値を大きくすると滑らかなグラデーションになります。機械的にカラー自体を変えるので、くっきりコントラストを付けたい時は初期値のままでOK。
変位はバンディングを抑えるために、ノイズを加えた表示にするかの設定です。
バンディングは色の変わり目が縞のようになること、Gifアニメーションでよくなる状態です。
こちらも縞になっていない場合は、特に設定する必要はありません。
最下部の不透明度、描画モードはお馴染み。
今回のようにテキストのクリップに適用した場合は、そのままで良いでしょう。
「映像にうっすらグラデーションをかけよう」と、調整レイヤーに4色グラデーションを適用している場合などに使います。
5. カラー補正系
ビデオエフェクトの中にある、カラー補正グループのエフェクトもテロップ装飾に使えます。
設定がシンプルな“Brightness & Contrast”を使ってみましょう。
パラメーターは“明るさ”と“コントラスト”の2つと、シンプルです。
明るさの値は高いほど明るく、コントラストの値を上げるとコントラストが強くなります。
これだけだとエフェクト名の通り、明るさとコントラスの調整。
マスクを使うと、簡易グラデーションのような見た目にもできます。
1クリップの中にテキストレイヤーが複数ある・文章が改行されて複数行ある場合。
同じフレーム内のアイテム全てに一貫性のある設定をしたい、という時に役立ちます。
“Brightness & Contrast”と同じく ビデオエフェクト > カラー補正グループにある、カラーバランスなどのエフェクでも同様の設定ができます。
今回はキーフレームを設定しなくても、という前提で紹介しましたが、これらのエフェクトはキーフレームと組み合わせて「変化していく表現」にも使えます。もちろん、アニメーションの設定をすることで生きてくるエフェクトも沢山あります。
パッと思いつく表現がない時は、TVやYouTubeなどを見て「こんな文字表現を作ってみたい」と思うものを探してみてください。テロップに限らず、良いと思ったアニメーションや演出を真似していくと、楽しくスキルアップできます。
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