Premiere Proで映像をズームする方法を学び、アンカーポイントと位置の関係を理解する

今回は、Premiere Proで動画・画像の一部分を拡大表示する方法についてご紹介します。

また、ズームイン・ズームアウトなど様々なアニメーションの設定に役立つ“アンカーポイント”についても解説。アンカーポイントと位置の関係がわかると「動かそうとしたら、クリップの映像が変な位置に…」なんて初心者あるあるも起こらなくなりますよ!

Premiere Proで使われる2種類の拡大(ズーム)

Premiere Proで使う基本的なズーム方法は、主に2種類あります。

  • A:映像全体を拡大する
    →カメラの倍率を上げる・カメラが寄っていくイメージ
  • B:映像の特定範囲だけを拡大
    →虫眼鏡を置いて、拡大表示したようなイメージ

例えば、前回のブログでも使用したpixabayの動画。
ペンケースの柄が見えるように拡大する場合だと、以下のような違いがあります。

それぞれの方法を把握して、拡大したい対象によって使い分けられるようにしましょう。

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A:映像全体を拡大する

被写体へカメラが寄っていくようなズームは、モーションのみで設定可能。
スケール + 位置もしくはアンカーポイントの組み合わせで表現できます。

最もシンプルなアンカーポイントを使う方法から見ていきましょう。

アンカーポイント+スケールでズーム

Premiere Proのアンカーポイントとは、映像素材の基準点・中心点になる部分です。

タイムライン上の映像クリップで“モーション”を選択すると、プログラムモニター上に照準のようなcancelマークが表示されるはずです。これがアンカーポイントです。

例えば、今回のスケールを変更する場合。
拡大したい対象(ペンケース)にあらかじめアンカーポイントを配置しておけば、そこを基準に拡大・縮小が行われます。同じ“スケール: 200”でも、シーケンスの枠内に収まる範囲が変わってくるわけです。

【アンカーポイントが中央】

【アンカーポイントを移動】

スケールでキーフレームを使って、100%から徐々に大きくなるように設定すれば、映像を拡大するズーム効果を表現できます。
アンカーポイントの位置は、下記動画のようにプログラムモニター上で動かすと良いです。

アンカーポイントと位置の関係を理解しよう

クリップのアンカーポイント(ビデオ > モーション > アンカーポイント)は、シーケンスに動画を配置する位置の起点でもあります。
先ほどアンカーポイントを変更した時も、連動して位置の数値が変わっていたはずです。

アンカーポイントのトラブル

スケールの値を大きくして拡大したあとに、アンカーポイントを移動しても、表示される範囲は変わりません。
一見変化はないのに、スケールを100%に戻すと、クリップがズレています。

また、プログラムモニター上でアンカーポイントを動かすと、位置の数値も連動します。
ただし、エフェクトコントロールでアンカーポイントの数字を変えると連動しません。

この場合も、クリップの映像が、シーケンスからズレてしまいますね。

クリップがズレる原因、位置とアンカーポイントの違い

上記のような問題は、位置とアンカーポイントの数値(座標)が、どの位置を基準にしているかを理解すると防ぐことが出来ます。

【基準位置】

  • アンカーポイント:映像クリップの左上を基準にした座標
  • 位置:シーケンスの左上から見た、アンカーポイントの座標

アンカーポイントは、クリップの左上を基準にして、どこをアンカーポイントとして設定したいかを座標で示しています。
スケールで拡大・縮小した場合も、クリップの原寸サイズ(100%)での数値が使われます。

位置は、シーケンスの左上を基準に、クリップのアンカーポイントがどこに来るように配置するかを座標で示しています。

下記動画のようにバラバラに動かしてみると、位置とアンカーポイント、それぞれ違いが把握しやすいと思います。

アンカーポイントと位置の関係性がわかると「映像が変な位置に動いてしまった」という現象が減り、Premiere Proでの編集がスムーズに進みますよ。

順番に色々な場所を拡大したい場合は?

アンカーポイントを拡大したい対象に合わせておく方法、シンプルでわかりやすいですよね。
ただ、ズーム表示したい箇所が2箇所以上ある場合は、少し注意が必要です。

ここでも、先程のアンカーポイントと位置が出てきます。
別の拡大したい対象へアンカーポイントを移動させる場合、セットで位置の座標も変えないと、クリップがシーケンスの枠から逸れてしまうんですね。

このため、最初にペンケース、次に本……というように拡大する対象が順番に変わっていく場合は、アンカーポイントは固定したまま、位置だけ変更したほうが簡単に設定できます。
それぞれのプロパティ、キーフレームの設定の違いは、下記動画をご確認ください。

どちらの方法でも、イージングを適用すると動きが滑らかに見えます。
キーフレームを右クリックして「イーズイン」もしくは「イーズアウト」を適用すると、手軽にイージングの設定が出来ます。

B:映像の特定範囲だけを拡大する方法

虫眼鏡を置いたようなズームは、Premiere Proに搭載されているエフェクトを使います。

エフェクトパネルで「ズーム」と検索。
ビデオエフェクト > ディストーション > ズーム を見つけて、クリップに適用します。

適用すると、中心あたりが円形に拡大されています。

エフェクトコントロールパネルにも「fx ズーム」という項目が増えてます。
中心や拡大率など各パラメータを設定して、拡大したい部分が見えるようにすれば完了です。

スケールで行ったように、最初にペンケース、次に本、と拡大対象を変える事も可能。
“中心”でキーフレームを設定し、拡大したいアイテムにcancelマークを移動させれば出来ます。

動画ジャンルを問わず、拡大表示を使う機会は多いです。視聴者に見てほしい部分を拡大する以外に、拡大率を細かく変えて揺らすような表現を作ったり、トランジションで使ったり。

わかりやすさUPから、クリエイティブな表現まで、広く活用できるので試してみてください。

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