動画広告の種類、参考になる広告動画の探し方
何年も成長を続けている、Web動画コンテンツ。
ユーザーが楽しんでくれる動画コンテンツの制作だけではなく、動画広告にも注目されています。制作を外注する企業も多く、広告動画制作のお仕事は副業・複業としても注目されています。
この記事では、これから動画制作や動画編集について学びたい、学び始めたところ、という方向けに動画広告の種類・参考動画広告の探し方を解説します。
動画広告とは? 主な種類を知ろう
動画広告とは、言葉とおり「動画として配信される広告」です。
かつてWebの広告といえば画像を使ったバナーやテキスト広告でしたが、近年はTVCMのように動画の広告が多く使われています。地上波で流れているCMと同じ広告を、You Tubeなどでも見たことがある方も多いのではないでしょうか。
目にする機会が増えているように、動画広告市場は成長を続けています。動画広告市場は、インターネット広告市場全体の水準を上回る高い成長率なのです。
サイバーエージェントによる「2021年国内動画広告の市場調査」では、2025年には1兆465億円に達すると予測されています。
数字についてはあくまでも予測ですが、高い伸び率がある広告ジャンルであることは間違いないでしょう。これから動画広告の出稿を検討される企業も多いと考えられますから、動画制作・動画編集のお仕事も更に増えていきそうですね。
動画広告は広告の配信場所によって、サイバーエージェントの市場調査でも使われている3つの種類に大別されています。それぞれの特徴を簡単に見ていきましょう。
インストリーム広告
インストリーム広告は、動画コンテンツと同じ枠内で再生される動画広告です。
ユーザーが見たい動画と抱き合わせで配信される動画広告で、TVCMに近いイメージです。
Youtubeなどで動画を見ていると、視聴したい動画の再生前・再生中または再生後に広告が再生されることがありますね。
インストリーム広告は動画広告の中では最も市場規模が大きいです。
このため、一口にインストリーム広告とは言っても、様々な種類(出稿タイプ)があります。どのタイミングで再生するか、ユーザーがスキップできるか、などよく使われる区分・種類を紹介します。
広告挿入位置による種類分け
動画のどのタイミングで、動画広告を挿入するかによって以下の3種類に分けられます。
- プレロール広告(動画再生前)
- ミッドロール広告(動画の途中)
- ポストロール広告(動画終了後)
広告をスキップできるかの種類分け
ユーザーが一定時間の動画広告を視聴すると、広告の視聴をやめる「スキップ」機能がついているかどうかによる区分です。
- スキッパブル広告(ユーザーが動画広告をスキップできる)
- ノンスキッパブル広告/完全視聴型広告(ユーザーが動画広告をスキップできない)
視聴者目線で考えると、何分も完全視聴型広告が配信されると苦痛です。嫌になって動画を見るのを諦める、その動画配信サービス自体を使わなくなる可能性もあるでしょう。
このため完全視聴型広告では15秒以内くらいの短い動画広告が主。30秒以内も時々あります。
★バンパー広告
完全視聴型広告の代表格が、You Tube広告の一種“バンパー広告(Bumper Ads)”。
主にスマートフォンなどのモバイルから動画視聴をしているユーザーに配信されます。
バンバー広告は再生時間が6秒以内かつ、スキップが出来ない完全視聴型の動画広告です。
You Tubeインストリーム広告の中で広告単価が低いため、配信数を増やして多くのユーザーに見てもらうことができるのが最大のメリット。
ユーザーにも時間が短い=広告を見せられるストレスが少ないというメリットがあります。長々広告を見せられるストレスがないと、広告元に対してのネガティブイメージも持ちにくいです。見ていて面白い広告であれば、好感度アップに繋がる可能性も高いでしょう。
また、広告出稿側にとっても「短時間にすることでユーザーが広告を見てくれる」というメリットがあります。ユーザーは長い完全視聴型広告ならよそ見をしますし、スキップ可能の場合はスキップできるタイミングを待つために、画面右下、カウントダウンを注視します。スキップできず短時間であれば、広告をちゃんと見てくれるというわけです。
動画広告出稿者・視聴者の両方にメリットがあることから、バンパー広告が注目され、多く活用されています。企業やサービスのブランディング、認知度向上には特に効果的です。
インリード広告
インリード広告は、コンテンツの間に挟み込まれるような形で表示される広告です。
明確な決まりではないですが、テキストや画像などの静止広告をインフィード広告、動画広告の場合はインリード広告と呼び分けることもあります。
Twitterの“プロモツイート(Twitter広告)”では動画がよく使われています。
YouTubeの検索結果一覧や視聴している動画右横の関連動画欄、InstagramやTikTokのフィード内など、ポピュラーなSNSでも大抵インリード広告が掲載されています。
ユーザーが興味を持っている内容と関連する広告が出てくれは、視聴率・サイト訪問率にも期待できそうですね。
現在表示されているインリード広告は画像も多いです。
が、冒頭でご紹介したサイバーエージェントの市場調査・予測では、動画広告の中でもインリード広告の成長率が高く予想されています。2025年にはインストリーム広告に迫るほどシェアが拡大される予測ですから、今後伸びていく可能性が高い動画広告ジャンルと言えます。
インバナー広告
インバナー広告とは、通常のディスプレイ広告枠に挿入されている動画広告のことです。メディアによってはインディスプレイ広告とも呼ばれます。
インバナー広告は、サイドバーの一番上などに置かれていることが多いです。
動くバナー、動画版バナー広告をイメージして頂くとわかりやすいと思います。
インバナー広告を掲載している代表的なサイトと言えるのがYahoo! JAPAN。
トップページの右サイド上部に、動画広告が掲載されていることがあります。
(※動画ではなく、画像バナーが表示される場合もあります)
画像バナー広告よりも、動きがあることでユーザーの目をひける・伝えられる情報量が増えることがメリット。
ただし、ページ容量が大きくなる(重くなる)などの理由でユーザーに嫌がられる場合もあります。このためか、動画広告全体の中で、インバナー広告に使われている金額はさほど多くありません。
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動画広告の参考・見本を探そう
実際にどんな動画広告が配信されているかも見ていきましょう。
動画広告の参考・お手本を探すなら、リアルタイムでTCVMやSNS、メディアサイトに掲載されている広告を見るのが一番。間違いなく現場で使われているものですし、タイムラグもありませんのでトレンドもわかります。
とは言え、プライベートの時間であれば広告を集中して見ていなかったり、ブロックしていたり、とガッツリ見ている方は稀でしょう。改めて「動画広告ってどんな…?」と探す時に限って見つからないものです。
動画広告として使われている・使われていた動画の探し方を紹介します。
1.YouTubeなど動画共有サイトで探す
YouTubeで探す
広告動画を探す際に、まず確認したいのがYouTubeです。
というのも、YouTube/Google広告を出稿するには「広告として使いたい動画をYouTubeにアップロード」している必要があるため。
広告として使われているすべての動画がヒットするわけではありませんが、「広告」「CM」などのワードで検索すると、新旧様々な広告動画がヒットします。
広告だけで再生リストを作っている方もいらっしゃるので、絞り込んでみても面白いです。
CM+編で検索した場合
パンバー広告、再生リストで検索した場合
画像元:https://www.youtube.com/
【YouTubeに投稿されている動画広告例】
Adobe Frescoなら水彩や油彩の表現がiPadで可能に|Creative Cloud
AdobeCreativeStation様
Adobe公式チャンネルによる、Adobe Fresco紹介動画。Frescoを使ったデモ制作画面と一緒に、どんな機能に優れたソフトかが端的に表現されています。映像も美しく、絵を描く方に「使ってみたい!」と思わせる作品です。
確定申告パニック『TAX SHARK(タックス・シャーク)』公式サイト │ freee
freee(フリー)【公式】様
某パニック映画の予告編のような、クオリティの高い動画。確定申告という硬い内容を、予想外の形でコミカルに動画化されています。つい気になって最後まで見てしまう、SNSで「これ面白くない?!」とシェアしたくなるような作品ですね。
【ホワイトボードアニメーション】ちょい乗り保険ロングver 東京海上日動火災保険様(LOCUS制作実績)
映像制作の株式会社LOCUS(東京都渋谷区)様
ホワイトボードにイラストを手書きしていくようなアニメーションで作られている、自動車保険の紹介動画です。手があることで注意がひかれますね。
動画をアップロードしているのは株式会社LOCUSさんという制作会社ですので、そのままチャンネルに移動すると他の制作動画も見ることが出来ますよ。
サービス紹介動画「ハッシャダイリゾート」(Crevo制作実績)
Crevo Video Production様
オレンジをベースにした、リゾートバイトサービス紹介動画です。見る人を選ばないシンプルなイラストとアニメーション、3STEPの機能紹介など「わかりやすい」構成が良いですね。
こちらもチャンネルに移動すると、Crevo Video Productionが手掛けた他動画を視聴できます。
Vimeoで探す
Vimeoも動画プラットフォームサービスの一つ。
広告挿入がなく、有料コンテンツとして動画を直接販売できる点が特徴です。このため、Vimeoはアクセス数を集める「バズる動画」ではなく、それ自体が商品となるような動画が中心。クリエイターとしての腕や実績をPRするポートフォリオ的な利用もされているため、クリエイター向け動画共有サービスと表現されることもあります。
Vimeoでは、カテゴリーとして「広告とコマーシャル(Ads and Commercials)」が用意されています。世界中のクリエーターが作った、様々なジャンルの動画広告を簡単に探すことが出来ます。
サムネイルを見ているだけでも、ワクワクしますね。
広告とコマーシャルでは、サブカテゴリーで秒数ごとに動画を絞り込めます。
が、30秒以下はサブカテゴリーがありません。
バンパー広告が見たい場合は「bumper ads」や「パンバー」、日本で使われている動画広告を見たい場合は「広告」などで検索すると良いです。You Tubeと比べると数は少ないものの、いくつかはヒットします。
【 Vimeoに投稿されている動画広告例】
株式会社パイロットコーポレーション Dr.Grip ACE 動画広告
SONICJAM.Studio様
商品のベネフィットを示すキャッチコピーが強調された、シンプルながらインパクトのある作品です。6秒という短い時間に合わせて情報量も精査されており、ダイナミックなアニメーションと合わせて「最も伝えたい事が、しっかりと伝わる」作りです。バンパー広告のお手本のような動画です。
Vinted. Sell without Fees
Deadbeat Films様
こちらはVintedという、オンラインマーケットプレイスの広告動画。スタジオ撮影された動画をベースに、テロップやアプリのイメージビジュアルを組み合わせた、シンプルながらもわかりやすい動画です。日本でよく見かけるCMでも使われている手法で、どの国でも万人受けしそうな構成になっています。
2.動画制作会社の「実例」を探す
上記でご紹介したように、Youtubeなどのチャンネルで制作実績・事例を紹介している制作会社さんも多いです。とは言え、すべての動画広告が見られるわけではありません。Youtubeは動画数も膨大なので、上手く探せないこともあるでしょう。
そんなときは、動画制作会社のWebサイトでギャラリー・制作事例のページを探して視聴する方法もあります。知っている制作会社があればそちらを、ない場合は「動画広告 制作事例」などでGoogle検索すると見つけられます。
以下の制作会社様のページは、事例数・クオリティ共に素晴らしいです。
3.アーカイブサイト・まとめページを探す
Webサイトや画像バナー広告とは異なり、広告動画のアーカイブサイトはほとんどありません。
2021年に株式会社APOLLO11によって、Youtube動画広告まとめサイト「動画広告研究所」がリリースされています。まだ掲載動画数が少なく、ジャンルにも偏りがあるように見受けられますが、今後に期待。
また、Facebookの広告ライブラリからも過去に配信された動画広告が確認できます(※動画広告だけ、という絞り込みは出来ないようです)。
使い方は、調べたい広告のキーワードやジャンルを入力するだけ。
参照:広告ライブラリ
そのほかに「動画広告 〇〇 まとめ」などと検索することで、条件に沿った内容の動画広告を独自にピックアップして紹介している記事も探せます。
例えば、以下のような記事です。
ただし、広告配信期間終了時にyoutubeで“非公開”設定になり、見られないものも多々あります。このあたりがアーカイブサイト・まとめ記事が作られにくい理由でもあります。
4.大手ポータルサイト、SNSを見てみる
インバナー広告はYahoo! JAPANやInfoseekなど、大手ポータルサイトによく掲載されています。必ず動画広告が表示されるわけではありませんが、定期的にチェックしてみるのも良いでしょう。
インフィード広告はSNSを中心に配信されています。Facebook、Instagram、Twitter、TikTokあたりを使うときに少し意識してみると良いです。
どちらも、あなたに合った(あなたが視聴・クリックしそう)と判定された広告が配置されます。意図したテイスト・ジャンルの広告が見られるかは定かではありませんが、リアルな動画広告配信がわかります。
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