【作って覚えるPhotoshop】写真の切り抜きで、インスタ風コラージュサムネイルを作ろう
Instagramでもよく目にする、複数の写真を使ったコラージュ風サムネイルをPhotoshopで簡単に作る方法を解説します。
テンプレートを使わず自作すると、掲載するアイテムの数、テキストの長さなどの縛りがなくなります。オリジナリティのある画像が作れますし、アカウントのブランディングにも◎。趣味アカウントや、SNS以外でも使い所は無数にある、基本テクニックを習得しましょう!
制作イメージと素材
複数の写真素材からメインアイテムだけを切り抜き、それを組み合わせて以下のようなサムネイルを作成しています。Instagramの比較・ランキング系や、購入品レビューの投稿でもよく使われているタイプですね。
使用している写真は、Adobe Stockのプレビュー版を使用させていただいています。
画像内テキスト |
コスパ最強! 1万円以下で買える おすすめヘッドホン 12製品ランキング |
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画像素材 |
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1.背景を透過した素材作り
実際のサムネイル制作を行う前に、写真素材の透過をまとめて行います。
サムネイルのドキュメント内ではなく、透過した写真を個別ファイルで保管しておくと、別の画像を作るときなどにも使い回せます。
1-1.写真の背景を透過する(自動)
企業メディア風アイキャッチ作成でも使用した、Photoshopの「背景を削除」ボタン。その下には「被写体を選択」もありますが、どちらも、確実に背景透過・被写体の選択が出来るわけではありません。
被写体と背景や影との境い目がクッキリしていない写真では、うまく透過できないこともあります。
Photoshopの自動機能は年々進化しています。
「背景を削除」は、3ステップでできます。まず試してみると良いでしょう。
- 画像をPhotoshopで開く
- 背景レイヤーのロックを解除(通常のレイヤーにする)
- プロパティパネルで「背景を削除」をクリック
例えば、今回の素材写真。
上3つ、白背景のヘッドホンは「背景を削除」だけで、透過素材化出来ます。
白背景の写真3つは、問題なく背景が透過できたらpsdファイルで保存すればOKです。
次に4つ目、背景が木目の画像で「背景を削除」を実行してみます。
大きい所は綺麗にできていますが、ヘッドバンドの黒い部分がモヤッとしていますね。
また、右のイヤパッドの間に少し背景が残っています。
こういう場合は少しだけ手動で調整すると、きれいに見えるようになります。
1-2.写真の背景を透過する(手動で調整)
水色のヘッドホンの場合
背景を削除でうまくいかなかった、水色のヘッドホンでそのまま作業していきます。
「背景を削除」で生成されたレイヤーマスクのサムネイルをダブルクリック。
選択とマスクのワークスペースが開きます。
右側の属性パネル、上図で赤線・青線で囲った部分では、マスク範囲の表示方法を設定できます。作業前に、見やすい設定に変更しておくと良いでしょう。
表示モードはオーバーレイにしておくと、元画像を確認しやすいです。
属性パネルの中間くらいにある項目を見てみましょう。
“エッジの検出”では、Photoshopが自動的に作った境界線(境界領域)のサイズを調整できます。数値を大きくするほど、境界線が広くソフトになります。
その下の“グローバル調整”では、項目ごとに細かく設定ができます。
詳しい説明はAdobe 公式ヘルプの『選択とマスクワークスペース』に書かれています。文字で読むより触ってみたほうが分かりやすいので、よくわからない項目はスライダーを大きく動かして違いを見てみてください。
ブラシツールを使って、マスク範囲を調整します。
一旦、コントラストとエッジをシフトを100%まで上げておくと進めやすいです。
ブラシツールを選択。
ツールオプションで-のアイコン(選択範囲から一部削除)を選び、ブラシの直径を設定。ヘッドバンドのところなど、ガタついているキワの部分をなぞって滑らかにします。
不要な部分を削除できたら、グローバル調整の数値を変更。
各スライダーを動かして、切り抜きたい部分が滑らかに見えるところを探します。
できたら、右下のOKボタンで編集を完了します。
背景を切り抜いたレイヤーの下に、背景色代わりのレイヤーを入れると透過具合がわかりやすいです。気になる部分があれば、再び、選択とマスクのワークスペースを開いて調整しても良いでしょう。
今回のデザインでは、素材を更に縮小して使いますので、厳密に切り抜かなくてもOK。
背景が透過されている状態でpsd形式で保存してください。
黒いヘッドホンの場合
背景色が入っているもう一つの画像、黒いヘッドホンの方も同様に調整します。
こちらは「背景を削除」を使うと、銀色の部分まで透過されてしまいました。
こういった消えなくて良い部分までマスクされてしまった場合は、先ほどと逆。
ツールオプションで+のアイコン(選択範囲に追加)を使って、透過したくない場所を塗ってください。
必要があれば、右側のパネルでグローバル調整等の設定も行ってください。
OKを押せば、レイヤーマスクを使った背景透過は終了です。
……が、元々の背景色が反射していて、色味に違和感があります。
このまま他のヘッドホンと並べると、ちょっと変ですよね。
ですので、次の工程、写真の補正を行います。
1-3.写真を補正する
透過画像(写真素材)時点では、目で見た時のような、自然な仕上がりに補正します。
まずはナチュラルに、写真素材全体の色調を合わせるイメージで補正しましょう。デザインに合わせた補正は、サムネイル画像を制作するファイルの方で行います。
今回の黒いヘッドホンは、モノクロに近い色味になればOK。
色調補正パネルから「自然な彩度」をクリックし、調整レイヤーを作ります。
赤みが目立たなくなるよう、プロパティで彩度を下げます。
補正ができたら、psd形式で保存してください。
これで、サムネイル制作に必要な透過写真素材ができました。
2.サムネイルのレイアウトを作る
では、サムネイル用の画像を作っていきましょう。
こちらもInstagramを意識した、1080px × 1080pxのアートボードで進めます。
2-1.背景の作成
長方形ツールとラインツールを使って、背景を作ります。
それぞれの大きさ(高さ)は〇〇pxなど数値で決めても、下図のようにガイドレイアウトで分割して合わせても、どちらでも構いません。
2-2.透過した写真素材を配置
背景レイヤーはグループ化してまとめ、動かないようにロックします。
作成した背景透過した写真(psdファイルの方)をアートボードに配置。
読み込ませた透過素材は、大きさ、位置を大まかに整えてください。
グリットを活用すると感覚的に揃えやすいです。
下図は、100pxの5分割(小さい1マスが20px)にグリッドを設定した場合です。
透過素材もグループにまとめてロックしておきます。
2-3.テキストを追加
横書き文字ツールに持ち替えて、画像内にテキストを入力します。
行、もしくはワードごとにテキストレイヤーを分けておくと、後から装飾しやすいです。
文字の大きさや位置は、大まかに設定するだけで良いです。
装飾をしていく際に、合わせて調整しましょう。
3.装飾する
3-1.透過した画像にフチと影を追加
ベッドホンの写真を目立たせるために、白い縁とドロップシャドウを加えます。
透過写真グループのロックを解除。
レイヤースタイルを開きます。
境界線を選択し、色・サイズを調整します。
解説ではサイズを15px、位置は外側に設定しました。
次に、ドロップシャドウをつけたいわけですが、このままレイヤースタイルでまとめて設定すると下図のようになります。境界線は無視して、画像ベースで影がついてしまう形です。
境界線までを1つの画像としてドロップシャドウをつけたい場合は、ちょっと違いますね。
その場合は、レイヤースタイルを設定したレイヤーもしくはグループを、更にグループを作って囲います。そのグループにドロップシャドウを設定すると、グループ内で設定された境界線などを含む描画範囲に対して影が付きますよ。
今回は画像を重ねないので、以下のようにグループを囲っちゃいましょう。
ドロップシャドウは以下のような設定にしました。
角度120°~135°(右下に影がつく)くらいが、オーソドックスなドロップシャドウの位置です。
不透明度、距離、スプレッド、サイズは大きくするほど不自然になりがち。
小さめの数値を入れたほうが、失敗はしにくいです。
なお、グループを使ってレイヤー効果を設定すると、下図のように、画像がくっついている部分は一塊として影が付けられます。
画像それぞれにドロップシャドウを付けて、重ねて配置したい場合は不向きですね。その場合は本記事末にある『補足:選択範囲の拡張』の方法を試してみてください。
境界線とドロップシャドウで、見本のように画像が大きくなりすぎた場合は、透過写真を少し小さくして整えてください。
複数のレイヤーもしくはグループを選択し、自由変形を行うと、同じ縮小率で一気に画像を小さく出来ます。もちろん、個別に調整しても構いません。
サイズ・位置の調整が終わったら、動かないように再びロック。
3-2.文字部分を設定
簡単に配置していたテキスト部分を作っていきます。
コスパ最強
文字色を白に変更。中央揃えに見えるよう整えます。
そして、プロパティパネル > 変形で、回転の値を変更。文字を右上がりにします。
レイヤースタイルで茶色の境界線を追加。
画像内にある色を使う場合は、カラーピッカーのスポイトを使います。
1万円以下~
「1万円以下で買える」の部分は、文字色を背景の線と同じ茶色に変更。
「おすすめのヘッドホン」の行はレイヤー効果を追加します。
境界線を茶色、コスパ最強よりも少し太めに設定。
光彩(外側)でうっすらと周囲を光らせます。
12製品ランキング
一番下の「12製品ランキング」は背景を入れてみます。
長方形シェイプツールで長方形を作成。
塗り色は、背景の線と同じ茶色にします。
レイヤー効果 > ドロップシャドウ長方形を重ねたような表示を作ります。
(長方形レイヤーを複製して塗り白に変え、右下へ移動しても同じ見た目にできます)
パターンオーバーレイで、企業メディア風アイキャッチで使ったパターンを薄くのせると変化が出ます。下図はストライプですが、ドットなどでも良いですね。
文字のバランスを整える
バランスを見ながら、テキストのフォントサイズ、字間・行間、配置などを整えます。
文字の強調
ラインツールを使って「1万円」の左に斜線を2つ作ります。
左側の線レイヤーを複製。
プロパティで水平方向に反転させ、右側へと移動します。
- Win:Ctrl + J
- Mac:command + J
よく見かける、文字を\ と /で挟んだ装飾ができます。
複数の写真を貼り付けたコラージュ風のサムネイルができました。
全く同じアイテムの配置でも、塗り色・線の色と、レイヤースタイルを変えると雰囲気がかなり変わります。自分好みにアレンジしてみると、楽しいですよ。
【解説で作った画像】
【色、レイヤースタイルをアレンジ】
補足:選択範囲の拡張を使う方法
透過した画像の縁取りは、描画ピクセルから選択範囲をつくる方法もあります。
windowsはCtrlキー、Macはcommandキーを押しながら、レイヤーサムネイルにカーソルを重ねます。マウスポインターが下記アニメーションのように点線の四角がついた表示になります。そのまま、レイヤーサムネイルをクリック。
描画ピクセル(透明ではない部分)で、選択範囲が作成されます。
選択範囲メニューから、選択範囲を変更 > 拡張 を選択。
拡張したい数値を入れて、OKを押します。
選択範囲が設定した数値分、ヘッドホンよりも大きくなりました。
新規レイヤーを追加し、画像の縁取りに使いたい色で塗りつぶし。
画像の背面(下)におくと、縁取りしたように見えます。
塗りつぶしたレイヤーに、ドロップシャドウを追加すると下図のようになります。
個別に設定していると、画像を重ねた時にもそれぞれドロップシャドウが入ります。
前後感を出したい時に適していますね。
また、企業メディア風アイキャッチで使った人物の写真など、表面(境界線)の凹凸が多い画像だと、“境界線”で縁をつけると汚く見えてしまいます。
描画ピクセルから選択範囲を作って拡張したほうが、滑らかに仕上がります。
このように、最終的には同じような見た目になっていても、Photoshopの操作・設定方法が違うこともあります。使用する画像・表現したいことに合わせて色々と試してみましょう。
どの方法でも表現出来る場合は、自分のやりやすい方法でOK。
「これが正解」というものはありません。色々な操作を試しながら、自分の使いやすい方法、それが上手くいかない時の方法などをストックしていきましょう!
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