グロースハック実践編 最強のツールABテスト ④ 改善施策の検証

前回のブログであなたのサイトの中で問題のあるページを特定する方法を紹介しました。今回はその具体的な改善策について紹介します。

改善策の前提として皆さんにひとつ知っていただきたい数字があります。

ウェブサイトページ(世の中に存在する全ウェブサイトの全ページ)の平均直帰率(7-10秒以内にユーザーが帰ってしまう率)は何パーセントかご存知でしょうか?

ウェブサイトのページの直帰率は平均47.5%です。 時間をかけて必死にデザインしたWebページから約半数のユーザーが直帰してしまいます

その理由は何でしょうか?

・デザインが良くない?
・ユーザーがサイトやサービスに価値を感じれない?
・次のアクションがどうすればいいのかわからない?

上記のユーザーが直帰してしまう理由として考えられます。しかし、ユーザー直帰の一番大きな理由は一目見てサイトが何なのか理解できないことが挙げられます。これは非常に重要なポイントなので、もう一度書きます。ユーザーが直帰してしまう一番の理由は一目見てそのサイトが何なのか理解できないことです。

下記は、クレジットカード会社の商品ぺージですが一目見て分かりますか?

よくわかりませんよね。このページの直帰率は80%です。 自社のオファーするサービスを売り込もうと色々と情報を盛り込んでいます。しかし、このサイトに来たユーザーは、このサイトが何かを理解できません

Webサイトを訪問するユーザーというのは、皆さんが思っているよりも、10倍移り気する人たちだと考えてください。 つまり、新規ユーザーはサイトのファーストページをみて、少しでも理解できないと思ったら離脱してしまうのです。

デザインの良さや価値が訴求なども重要です。しかし、それをアピールするには、直帰されないためのハードル、一目見て判るサイトを作るという第一関門を超えることに注力しましょう。

最初に見直す点は、自分のサイトのランディングページが理解しやすいか評価することです。


ウェブページパフォーマンスに影響する6つの要素

理解しやすさが重要ということを念頭においた上で、サイトのパフォーマンスに影響する要素6つを紹介します。

6つ要素の改善を行えば、あなたのウェブページのパフォーマンスは、50%~300%改善します。

要素① ヘッドライン: サイトのユニークな価値を伝えるヘッドライン
要素② ビッグイメージ:プロダクトやサービスのメインのイメージ
要素③ フォーム:データを埋めてもらうフォームの部分
要素④ CTAボタン : Call-to-Action ビジターのアクションを規定するところ
要素⑤ ベネフィト:潜在的なカスタマーにどのような利点があるか
要素⑥ セーフティーネットCTA: 要素④のCTAボタンを押す準備ができていない見込み客向けのCall-to-Action (Facebookいいね!ボタンなど)

ひとつひとつ要素を詳しく見て行きましょう

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① ヘッドライン: 

サイトが理解しやすさは、一番最初に目が行くヘッドラインが分かりやすいどうかによります。ヘッドラインのキャッチコピー改善は直帰率を向上させるために最も重要な要素です。

ヘッドラインは、初回訪問ユーザーの第一印象を作ります。理解しやすく人を引きつけるコピーをつけるだけで、サイトのランディングページのパフォマンスを劇的に上げることができます。

下記のサイトは男性向けの下着やヒゲソリなどの日用品を定期的に届けてくれるサービスです。”Part-time Girlfriend?” (=パートタイムの彼女欲しい?)という、インパクトのあるキャッチコピーを使用し販売数が55%に伸びたそうです。

ユーザーがあなたのページに来た時にどういう言葉を検索してあなたのサイトにたどり着くのでしょうか? どういう期待もっいるのでしょうか?それによってヘッドラインの文言は変わってきます。ユーザーはどういう人で、普段どういう言葉を使っているのか?を検証してみましょう

②ビッグイメージ 

ビッグイメージは新規訪問者にあなたのサイトの理解を促し、価値を理解してもらうのに重要な要素です。ビッグイメージは感情的な側面を表現するのに有効な方法になっています。 低画質の荒いイメージではなく、高画質なイメージを使いましょう。人物のイメージを使うならば、ユーザーの共感を呼ぶ人物像を採用してみましょう。

下は2008年の大統領選でのオバマ陣営が活用したビッグイメージは有効な事例の一つです。オバマ陣営は、家族との写真が投票者の共感を呼び、オバマ一人の写真よりも20%パフォーマンスが良いことを発見しました。 このキャンペーンを通じてオバマ陣営は200億の献金を集めることに成功しました。

人物の写真を使い感情に訴えかけてみてコンバージョンが上がるかどうかを試してみください

③ フォーム  

効果的なフォームを設計するとコンバージョン率を劇的に改善することができます。

フォームは必要最小限の情報を入力してもらうようにしましょう。下の例は、入力フォームのコンバージョン率を比較したものです。入力フォームがシンプルなものが入力項目が多いフォームよりもコンバージョン率が、13.5%優れていました

あなたのサイトのフォームの必要最小限の項目はなんでしょうか?また ユーザーが簡単に入力できるように説明がありますか? 検証してみましょう

④ Call-to-Action ボタン 

行動を促すボタン(Call-to-Actionボタン)は、コンバージョン率に非常に大きな影響がありますで、改善幅が大きいのでテストを行ってみてください

例えば下の事例はCTAボタンの文言を変えただけで、コンバージョンが改善した事例です。
"アカウントを作成する"という文言に、"始める"と加えるだけで、コンバージョンが31.5%向上しました

CTAボタン検証の良い点は少ない工数で改善施策を検証することができるところです。文言やボタンの色やボタンの位置や大きさなどを変えてみて、是非クリック率が変わるかためしてみてください

⑤ ベネフィット

商品やサービスや特徴ではなく、その特徴がどういうベネフィットをユーザーにもたらすかを検証しましょう。文章の形式で書くよりもブレットポイントで書いたほうが、コンバージョンが高いことが証明されています。

下記はベネフィットをブレットポイントで記載したほうがコンバージョン率が81.4%高いという事例です

商品やサービスの特徴を洗い出してみて、それがユーザーにとってどういう利点があるかを洗い出してみましょう

⑥ セーフティーネットCTA

セーフティーネットCTAとはCTAボタンを押す準備ができていない見込み客向けのCall-to-Action ボタンです(Facebookいいね!ボタンなど) あなたのサイトをグロースハックするには、ソーシャルメディアを活用して拡散する必要があります。

Facebook、Twitter、Google plus、はてブなど、利用者数が多いソーシャルメディアのプラグインは埋め込んでおきましょう。

Twitter やGoogle plusでシェアされると検索順位が上がる効果もあります

グロースハッカーになるのに必要な3つのスキルとは?

グロースハッカーはお金(予算)を使わずに成長エンジンを構築するスキルが必要になります。そのために必要な三つのスキルを上げてみました。

① お金をかけないで高いユーザーエクスペリエンスを設計する力

ユーザーエクスペリエンスの構築力は、グロースハッカーだけではなく、これから価値のあるサービスや商品を生み出そうとする人には必須の能力でしょう。

UXデザインこちらのブログで詳しく書いていますが、プロダクトを作る前に、ペルソナ像を構築して、カスタマージャーニーマップを作り上げ、常に改善をしていくプロセスを身につける必要があります。

② お金をかけないで分析を行う力

グロースハッカーは、まずユーザーエクスペリエンスデザインを行い仮説を立てます。そして、その結果を分析力を駆使して、検証する必要があります。Google Analyticsなどの無料分析ツールは使いこなせるようになりましょう。

③ お金をかけないでプロダクトを改善力

グロースハッカーは、技術にもある程度精通している必要があります。
何が技術的に実現可能なのか、どういう改修・改善が、ローコストでハイリターンのかをすぐに見積もり、開発者に指示を与える必要があるからです。

Webサービスのグロースハッカーになりたい人は、最低限でも、
HTML, CSS, JavaScript, UX Design, Google Analytics, Illustrator/Photoshop
などの知識を身につけましょう。

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