グロースハックとは何か グロースハックを制したものたち
Hotmail – グロースハッカー 創世記
グロースハッカーが一番最初に認識されたのはHotmaiがローンチした1996年になります。マイクロソフトに4億ドルで買収されたHotmailは、製品ローンチ18ヶ月後の1997年に1200万ユーザーを獲得しました。</br>
1996年当時、ブラウザ上で使うことできる世界初のフリーのメールサービスで、ハイテク業界の人達からは注目をあつめていました。しかし、30万ドルを調達したばかりのスタートアップであり広告やマーケティングに何百万ドルという予算はなく、認知度は低い状況でした。当時の成長戦略といえば、ラジオの広告枠を買ったり、高速道路沿いで人の目に写るBillboard(広告カンバン)の枠を買うことが主流でした。</br>
投資家の一人である Tim Draperが何万ドルをマーケティング費やす代わりに、Hotmailは全てのe-mailの一番下に、“P.S. アイ・ラブ・ユー:Hotmailで無料メールアカウントを開こう! と提案しました。この提案が全てを変えてしまいました。創業者によると、この機能をつけて最初の1時間ですでに100人が登録していたそうです。その日から一日平均3000人の新規ユーザーがサインアップするようになりました。</br>
創業者の一人であるBhatiaがインドの友達にHotmailを送ってわずか3週間で30万人のインド人ユーザーを獲得しました 1997年当時は、世界中で7000万人のインターネットユーザーしかいませんでしたが、なんとそのうちの18%の1200万人がHotmailを使っていたのです。
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世界で最も成功したグロースハック:DROPBOX
世界で最も成功したグロースハックといえばDropboxではないでしょうか?Dropboxは現在ユーザー数が1億7500万人で時価総額が40億ドルと言われています。Hotmailと同様に豊富な資金があったわけではなく、ユーザーにレバレジをかけてバイラルでサービスが広がるかを検討する必要がありました。
ドロップボックスは、立ち上げ当初は他のスタートアップ同様に、広告枠を買ってユーザーベースを広げていました。しかし、一人のユーザーを獲得するに、233〜388ドルの費用を使っていました。当時のDropboxの料金が99ドルだったので、ユーザーを獲得すればするほど赤字になる状態でした。
そこで
一般公開をせずに、順番待ちリストに登録させました。この登録を促進するために、ファウンダーは自らでも動画を作成しました。
この自作動画は潜在ユーザーの間で爆発的な人気になりました。各ソーシャルニュース(Digg, Tumblrなど)を席巻して、一夜にして招待を待つユーザーは一夜にして5,000人から75,000人に膨れ上がりました。
そして大人気を博したDropboxは、ユーザーを呼び込んだランディングページを非常にシンプルにしました
グロースハック時代の幕開け
HotmailやDropの成功を皮切りに、様々なスタートアップがグロースハックを採用し、わずか数年で1億人を超えるユーザーを獲得しているケースが続々とでてきています。下記は、グロースハックに成功した事例の一部になっています。
写真共有サービス
創業2011年 ユーザー数1億5000万人 (2013年)
18ヶ月でFacebookに10億ドルで買収された
グロースハック
・ユーザープロフィールを自動でパブリックにした。(Twitterのように誰でもフォローできるようにした)
・クロスプラットフォーム(Facebook, Twitter, Google)で使えるようにした
・画面遷移をもの凄く早くした
AirBnB
アパートなどの宿泊施設貸し借りサービス
創業2008年 延べ宿泊数1000万回を突破、55万ヵ所の宿泊施設が登録
グロースハック
・プロの写真家を雇ってアパートの写真を撮った(最初はファウンダー自らが写真を撮った)
・クレイグリスト自動投稿を実装(クレイグリストは、2008年当時 空きアパート広告を何十万件も掲載していた)
Zynga
世界最大のソーシャルゲームサイト
創業2007年 ユーザー数 2億5000万人 (2013年)
グロースハック
・招待制を採用してバイラル(オークションで招待を購入する人も出現)
・他のゲームとクロスプロモーション
ピンボード風の写真共有(英語版)ウェブサイト
創業2010年 ユーザー数 5000万人 (2013年)
グロースハック
・招待制の実装(初期の頃、オークションで招待を購入する人も出現)
・Waiting Listの実装(初期)
・Facebook/Twitterでのログイン推奨
PayPal
電子メールアカウントとインターネットを利用した決済サービス
創業1998年 ユーザー数 2億2000万アカウント (2013年)
グロースハック
・eBay上での自動購入システムを実装
・使用したユーザーに10ドルをインセンティブで支払う
・他のユーザーを紹介したユーザーには20ドルのインセンティブ
グロースハッカーになるのに必要な3つのスキルとは?
グロースハッカーはお金(予算)を使わずに成長エンジンを構築するスキルが必要になります。そのために必要な三つのスキルを上げてみました。
① お金をかけないで高いユーザーエクスペリエンスを設計する力
ユーザーエクスペリエンスの構築力は、グロースハッカーだけではなく、これから価値のあるサービスや商品を生み出そうとする人には必須の能力でしょう。
UXデザインこちらのブログで詳しく書いていますが、プロダクトを作る前に、ペルソナ像を構築して、カスタマージャーニーマップを作り上げ、常に改善をしていくプロセスを身につける必要があります。
② お金をかけないで分析を行う力
グロースハッカーは、まずユーザーエクスペリエンスデザインを行い仮説を立てます。そして、その結果を分析力を駆使して、検証する必要があります。Google Analyticsなどの無料分析ツールは使いこなせるようになりましょう。
③ お金をかけないでプロダクトを改善力
グロースハッカーは、技術にもある程度精通している必要があります。
何が技術的に実現可能なのか、どういう改修・改善が、ローコストでハイリターンのかをすぐに見積もり、開発者に指示を与える必要があるからです。
Webサービスのグロースハッカーになりたい人は、最低限でも、
HTML, CSS, JavaScript, UX Design, Google Analytics, Illustrator/Photoshop
などの知識を身につけましょう。
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