After Effectsではコンポジションを3次元空間(3D)に見立てて、映像の奥行き感を表現する“3Dレイヤー”機能があります。
After Effectsのレイヤーは、2次元空間(2D)と3次元空間(3D)の切り替えが可能です。
3次元空間の考え方を使うことが出来るレイヤーを、3Dレイヤーと言います。
通常のレイヤーは2D、 X軸 (横方向)と Y軸 (縦方向)で構成されている平面です。
これを3Dレイヤーにすると、Z軸(奥行き・厚み)が加わります。
Adobe公式の『After Effects ユーザガイド』では以下のように説明されています。
レイヤーを 3D レイヤーに変換しても、レイヤー自体は平面のままです。ただし、位置(Z 軸)、アンカーポイント(Z 軸)、スケール(Z 軸)、方向、X 回転、Y 回転、Z 回転、マテリアルオプションなどのプロパティが追加されます。マテリアルオプションは、レイヤーがライトやシャドウとどのように相互作用するかを指定するためのプロパティです。
ちょっと分かりにくいですよね。
上で書かれている『レイヤー自体は平面』とは、完全な3Dオブジェクトにはならない、という意味です。
3Dレイヤーに変換する=3D空間の中でレイヤー操作できる状態とイメージすると分かりやすいかもしれません。
3D空間に配置されたことで、レイヤーの厚み、レイヤーを配置する場所、回転する向きなどが、奥行きもを考えたものに変わるわけです。
シンプルなシェイプを使って、3Dレイヤーを実際に試してみましょう。
新規コンポジションを作成します。
シェイプツールでシェイプレイヤーを作成。
形状や色は、何でも大丈夫です。
作成したシェイプレイヤーを、3Dレイヤーに変換します。
3Dレイヤーへの変換はタイムラインパネルのスイッチで、3Dレイヤー(立方体アイコン部分)を有効にするだけです。
コンポジションパネルに、X,Y,Zの矢印が表示されています。
レイヤーのトランスフォームでも、3Dレイヤーでは回転プロパティが変わっていたり、Z軸座標が追加されてプロパティ値が3つになっていたりと、変わっている場所が結構ありますね。
レイヤー名の横に3Dレイヤーのスイッチなんて表示されていない!という場合は、以下2つを確認してください。
3Dレイヤーのスイッチを有効にすると、コンポジションパネルの右下に下図のような選択肢が表示されます。
右側にある“アクティブカメラ”と表示されているプルダウンは、3Dビューの選択です。
ビューは3D空間の作業を行う際、様々な角度から映像の確認ができる機能。
コンポジションパネルに映し出す映像を、何視点にするかを切り替えることができます。
初期状態の“アクティブカメラ”は、映像として書き出した時の見え方です。
フロントビューの場合は左横から見た場合、ボトムビューにすると真下から……とコンポジションを見る角度の変更が可能。
右隣の“1画面”となっているところを切り替えると、画面を分割しての確認もできます。
アクティブカメラの種類や、好きな角度を設定できるカスタムビューなどもあります。このあたりはカメラとビューのレッスンにで詳しく紹介します。
ビューの左隣では、3Dレンダラーの確認・変更ができます。
ここで選択できるレンダラーは3D環境での作業時にどう3D処理を行うか、どんな風に2Dから3Dに変換するかを決めるものです。
コンポジション設定 > 3Dレンダラー のタブからも、3Dレンダラーの変更ができます。
それぞれの特徴、使用できる機能・使用できない機能も確認可能です。
次回のレッスンでは、3Dレイヤーにしたシェイプを動かしながら、レンダラーによる違いも見ていきます。
新規コンポジションに、長方形ツールなどでシェイプを1つ作成してください。
それを3Dレイヤーに変更し、コンポジションパネルで以下2点を確認してください。
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