エフェクトはAfter Effectsの醍醐味、なんて言う方もいらっしゃるくらいによく使う機能。エフェクトを適用する、複数組み合わせて設定していくことで、ハイレベルな映像合成やアニメーションの制作ができます。
エフェクトとは、レイヤーに様々な効果を追加する機能です。
レイヤーの見た目を変更したり、合成を行うための調整を行ったりするために「エフェクト」機能を使います。
などなど……例を挙げるときりがないくらい、色々なことをエフェクトを使って行っていきます。
エフェクトだけで図鑑のような本が一冊出来てしまうくらいです。
全エフェクトを完全網羅する必要はありません。
まずはエフェクトをレイヤーに適用する基本操作を知り、たくさんあるエフェクトがどうカテゴライズされているかを押さえましょう。
エフェクトはメニューバーの“エフェクト”の中に、カテゴリー別で用意されています。
エフェクトを適用したいレイヤーを選択した状態で、エフェクト名をクリック。
すると、レイヤーにエフェクトが適用されます。
上アニメーションのように、適用しただけでは見た目に変化がないこともあります。
エフェクトには、それぞれの効果を設定するためのプロパティがあります。エフェクトによっては、初期設定がゼロになっていて、値を設定することで効果が追加されていきます。
エフェクトの設定はエフェクトコントロールパネル、もしくはレイヤーの詳細からできます。
After Effectsには、エフェクトとプリセットの一覧を常駐させておける“エフェクト&プリセット”のパネルも用意されています。
ウィンドウメニューから“エフェクト&プリセット”を有効化すると、ワークスペースに追加可能。
エフェクト&プリセットパネルから適用する場合も、適用したいレイヤーを選択した状態でダブルクリックすればOK。
ドラッグ・アンド・ドロップでも適用できます。
After Effectsは最初から用意されているだけでも多くのエフェクトがあります。
エフェクトの役割・追加したい効果の種類によって、大きく以下24のカテゴリに分かれています。
そして、そのカテゴリ内にエフェクトが収容されています。
下図の描画であれば、26個のエフェクトが入っている形です。
After Effectsでのエフェクトのカテゴライズ。
「カテゴリ名通りのエフェクトが入ってる」なんて言われるのですが、映像用語に馴染みがないとイメージしにくいものもありますよね。
以下では、それぞれの特徴を簡単に紹介します。
※灰色の文字で表示しているカテゴリは、現行版After Effects単体での制作には使用しない・特殊な方法で撮影された映像にのみ使用するエフェクトです。
素材や別ソフトで制作した3D用チャンネルを含むCG素材を、After Effectsで使う際に調整するためのエフェクトです。
精度の高いトラッキングとマスキングができるエフェクトです。
トラッキングとは、映像の中のある特定の場所・モノを追跡(トラック)すること。
トラッキングを使うことで、対象物が動いていても自然な合成ができます。
画面のはめこみ合成など、映像を合成したい時にも使います。
選択可能なエフェクトは“Cineware”のみ。
これはCinema 4Dという、3Dモデリングなどが出来るソフトで作成したデータを、After Effectsで使うためのエフェクトです。
色や明暗の違いを利用して、映像の一部分を取り除く(見えなくする)・切り出すことを“キーイング(Keying)”と言います。
Keyingの中には指定した色を透明化するエフェクト“Keylight”のみがあり、クロマキー合成(グリーンバック合成)に主に使われます。
インターネットで配布されている以下のような素材を、透過して重ねたい時にも使います。
入っているエフェクトは“mocha shape”のみ。
Mocha Proで作成したシェイプの調整に使うようです。
360度で撮影した、VR映像に対して使用できるエフェクトがまとめられています。
After Effectsでは“エクスプレッション(Expression )”という、JavaScript系のコードを使ってアニメーションやエフェクトの制御も出来ます。
エクスプレッション制御はエクスプレッションのパラメーターを作成・変更することで、複雑な制御が出来るようにしてくれるエフェクトがまとめられています。
効果音などの音を扱う、オーディオレイヤーを調整するエフェクトがまとめられています。
左右の音量レベルを変更する、リバーブ(残響音)を加えるなどのことが出来ます。
色相・彩度や露光量の変更、色かぶり補正など、映像のカラーを補正するためのエフェクトがまとめられています。
“トーンカーブ”と“色相/彩度”が使えると、基本的な補正はだいたい出来ます。
使い方はPhotoshopとほぼ同じですので、過去にグラフィックソフトの使用経験があれば操作には困らないでしょう。
補正自体が初めて、という方は下記講座もご確認ください。
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キーイング用のエフェクトがまとめられています。
04.Keyingと同じく特定色の透過ができる他、2つの映像の差分を使ったキーイング“異なるマット”や、自分で書いたパスを使って切り抜きができるエフェクトもあります。
映像に粒子(パーティクル)を発生させたり、レイヤーを分割して動かすことが出来るエフェクトがまとめられています。
シャッターエフェクトを使って作られた、画面やオブジェクトが割れるような表現もよく見かけますね。
表面や境界の質感を変える効果を追加することで、レイヤーの見た目を変化させるエフェクトがまとめられています。
四隅を暗くするビネット効果をつける“CC Vignette”や、発光しているような効果を加える“グロー”などもこちら。
実写映像ベースの制作でよく使う、“モザイク”エフェクトもスタイライズの中にあります。
RGB・HLS・アルファ(透明)のチャンネル情報を使って、レイヤーの補正や加工を行うエフェクトがまとめられています。
チャンネルを使って色味・見え方を変えるほか、キーイングとセットで透過部分をより綺麗にしたいときにも使われます。
色ズレ(RGBずらし)などの表現もできます。
動画の再生時間や日付を入れたり、数字を表示させることができるエフェクトです。
テキストレイヤーを変化させるエフェクトではないので注意。
映像内にタイムコードを入れるほか、カウントアップ/カウントダウンなども作成可能。
レイヤーを変形させる(distortion/歪ませる)ことで、見た目を変えるエフェクトがまとめられています。
レイヤーの四隅をバラバラ動かすことが出来る“コーナーピン”は、画面へのはめ込みを行うときや、簡易3D表現などにも活用できます。
トランジションとは、場面転換でカットとカットの間を自然に繋ぐための手法・効果のこと。
映像の遷移をスムーズに見せるためのエフェクトがまとめられています。
こんな感じにシーンが切り替わる映像、どこかで見たことがあるのではないでしょうか?
ノイズやグレインを追加、もしくは除去することができるエフェクトがまとめられています。
古いカメラで撮影したような質感の追加、グリッチ効果を表現したい時にも使われています。
映像をぼかしたり、輪郭を鮮明にすることができるエフェクトがまとめられています。
マットとは、合成をするために必要な領域だけを指定して切り抜いた範囲のこと。
エフェクト > マットには、アルファ部分(透明にした部分)を調整できるエフェクトがまとめられています。
キーイングの補助に使うことが多いです。
“マットチョーク”エフェクトは境界をぼかすという機能から、リキッドアニメーションの制作にも使われます。
カラープロファイルの変換・カラーLUTの適用など、カメラなどから映像データを取り込んだ際の調整に使うエフェクトがまとめられています。他デバイスとデータのやり取りをする際に起こる、見え方の違いをなくしてくれます。
遠近感をつくり、映像の立体感を表現するエフェクトがまとめられています。
映像が撮影された際のカメラの動きに沿って、テキストなどを配置できる“3Dトラッカー”なども、遠近のグループにあります。
過去のバージョンで使われていたエフェクトがまとめられています。
過去バージョンで保存されたデータと互換性を持たせるために用意されているようです。
時間軸を利用して、残像を作る、再生スピードを変化させる、などアニメーションを変化させるエフェクトがまとめられています。
上手く活用できると、アニメーション制作の手間も省けそうですね。
その場にはないものを、新たに描画するためのエフェクトがまとめられています。
レイヤーの塗りを変えたり、稲妻や光の筋をレイヤーに追加したりと、色々なエフェクトがあります。
文字を照明で照らしたようなアニメーションも。描画の中にある“CC Light Sweep”のエフェクトで簡単に作れます。
After Effectsに最初から入っているエフェクトをカテゴリ別に見ていきました。
一口にエフェクトと言っても、単体で効果を与えるものから、他ソフトとの連携に使うものまで様々。
使用するエフェクト・使用頻度の高いエフェクトは、制作する動画によって差があります。
携わる動画の種類によって、1回も使ったことがない(使う予定もない)なんてエフェクトも、かなり多くあるでしょう。
After Effects単体で使えないものもありますし、まず数自体が多いですよね。
全エフェクトを自分で試してみよう、覚えよう、というのは現実的ではありません。
エフェクト適用に寄る見本をまとめてくれているサイト/チャンネルもあります。
例えば、下記のYouTubeチャンネル『COLOR CODE - AE』さんでは、After Effects標準エフェクト全ての見本が公開されています。
エフェクトの把握に、活用させていただきましょう。
また、ご自身が作りたい映像の種類、作ってみたい表現に近いチュートリアルを探して、真似しながら使っていくものオススメです。
新しいコンポジションを作成して、トランジションのエフェクトを使ってみましょう。
【手順】
1.新規コンポジションを作成
2.平面レイヤー(動画、画像でも可)をタイムラインに追加
3.エフェクト > トランジション の “リニアワイプ” を適用する
4.変換終了を使って、キーフレームを設定する
キーフレームの開始点・終了点は、お好きなフレーム数(秒数)で設定して頂いて構いません。
開始点では変換終了0%、終了点では100%に設定します。
このエフェクトだけで、簡単にスライドショー風の動きが付けられますね。
レイヤーを複製して、色と開始位置を変えても面白いかもしれません。
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