アニメーター機能でテキストアニメーションを作成する

前回に引き続き、テキストのアニメーター機能を使っていきましょう。

目標

複数のアニメーター、プロパティを使ってテキストアニメーションを作成します。

以下のように、右からスライドインし、回るようにフェードアウトするよう設定してみます。

制作手順

1.アニメーションするテキストを用意

アニメーションさせる文字部分を作ります。

解説では新規コンポジション(アニメーター練習2)を作成して、そちらで設定していきます。

テキストレイヤーを追加。文字はお好きに打ってください。
見やすいように、大きめのフォントサイズで、ど真ん中に配置するのがお勧めです。

2.スライドインの設定を行う

テキストレイヤーにアニメーターを追加します。
位置と不透明度、2つのプロパティを追加してください。

アニメーターの位置プロパティで、X方向の数値(1つ目の数値)を変更します。
文字全体がコンポジションの右外になるように設定しましょう。

不透明度は0%に変更します。

範囲セレクターを開いて、開始のストップウォッチアイコンでキーフレームを追加。
20フレーム後ろ(右)に移動し、キーフレームを追加。開始の値を100%にします。

プレビュー再生してみましょう。

右から1文字ずつ、文字が出てきました。

このままだと、少しカクカクした動きに見えるので、ブラーを追加しましょう。
ブラーは“ぼかし”もしくは“滲み”のことです。

アニメーター1の追加から、ブラーを選択。

ブラーの数値を変更します。
横方向にだけブラーを設定できるよう縦横比の固定を解除し、1つ目の数値を変更します。

キーフレームの始点、終点よりも後だと、数値を変更しても見えません。
上図のようにインジケーターを10フレームあたりに置いておくと、見え方を確認しながら設定できます。

設定できたら、プレビュー再生して確認。
これで、タイトルを表示する部分は完成です。

3.フェードアウトさせる

次は、タイトルの文字を消していくアニメーションを設定します。

テキストレイヤーを選択し、アニメーターのからスケールを選択。
「アニメーター 2」と新しいアニメーターと、スケールプロパティが追加されます。

インジケーターの位置を3秒地点(3s / 03:00f )に移動してください。
アニメーター2のオフセットでキーフレームを追加。値は-100%にします。

スケールの方にもキーフレームを追加します。
1つめ、X軸方向(横方向)の数値をゼロに設定してください。

ここまでの設定ではコンポジションパネル(プレビュー)での、テキストの表示は変わっていません。

インジケーターを20フレーム先へ進めます。
オフセットのキーフレームを追加。値は「0 %」に設定してください。
コンポジションパネル上で、テキストが表示されなくなっていればOKです。

プレビュー再生で、動きを確認します。

ベースの動きは出来ていますね。

アニメーター2の追加からプロパティ > ブラーを選択。
ブラーの効果がわかる位置にインジケーターを動かして、数値を調整します。

プレビュー再生して違いを確認してみましょう。
ブラー設定前よりも滑らかに見えていたらOKです。

高度のプロパティについて

ここまでの設定でもテキストアニメーションとしては出来ています。
が、アニメーターの使い方練習として、もう少し設定を触ってみましょう。

アニメーター2の中にある高度を展開します。
下図、赤線で囲ったシェイプという部分は、プルダウンで選択可能になっています。

高度のシェイプでは、アニメーションが開始から終了までを「どんな風に進めるか」を設定できます。
シェイプを短形から“下へ傾斜”に切り替えて、再生してみましょう。

アニメーションが大幅に変わりましたね。

キーフレームの終点でも文字が残った状態になっています。
オフセットの数値0から100%に変えて、完全に消えるようにしましょう。

最初から再生すると、下のようになります。

ぱっと見ると、あまり違いは感じられないかもしれません。
同じフレーム数で見比べてみると、速度に違いがあります。

【シェイプって何?】

デフォルトの短形は1文字ずつ、区切ったような形でアニメーションしていきます。
それ以外は滑らかにアニメーションが継続するようになっており、どう継続させるかで“上に傾斜”や“下に傾斜”などの項目に分かれています。
下アニメーションのようなイメージです。

わかるような、わからないような……と思った方、それでOKです。
実は、このアニメーターの高度(特にシェイプ)はAfter Effectsの設定の中でも、理解のしにくさ上位に入ります。
変化させるプロパティによっても、ちょっと見え方が違いますしね。

最初は「アニメーションの動き方が変わる項目」という認識で大丈夫。
最初は、オフセットを使って調整できるかのほうが重要です。

“高度”の設定について詳しく知りたい方は、下記サイトのような詳細解説を書かれている記事、もしくは動画を参考にしましょう。
もしくは、簡単なテキストアニメーションを作って設定を色々切り替えてみるのも良いですね。

4.イーズを設定する

イージングを設定して、アニメーション速度に緩急をつけると、より滑らかなテキストアニメーションになります。

アニメーターを使っている場合は、キーフレームのポイント、高度内のイーズ(高く/低く)と、2箇所で設定が出来ます。

今回は簡単に、キーフレームの方でイージーイーズインを適用しておきましょう。

文字が消えていく方(アニメーター2)も、お好みで設定してください。
これで、文字が現れて消えるテキストアニメーションは完成です。

After Effectsで作ったテキストアニメーションは、PremiereProで使用することも出来ます。
次回のレッスンでは、Premiereで使用するための方法・設定を解説します。

実習

前回の実習で設定したアニメーターの設定を変更します。

【手順】

  1. アニメーターの追加から、位置を選択。
  2. 位置のX座標をマイナス150~180くらいに設定 
  3. 高度オプションで基準を「文字」に変更
  4. 高度オプションでシェイプを「上に傾斜」に変更
  5. オフセットでキーフレームを打ち、0秒と3秒地点は完全に文字が消えるよう設定する
  6. 0秒に打たれているキーフレームをイージーイーズアウトに変更
  7. 3秒に打たれているキーフレームをイージーイーズインに変更

【タイムラインパネルのイメージ】

無料ビデオ講座のお知らせ

Skillhub [スキルハブ]では無料の動画講座を多数公開しています。他校だと数万円するような講座が無料で受講できます。

無料講座一覧を見る

×