After Effectsで制作した動画は、PremiereProで行う編集に利用することも出来ます。
テキストアニメーションやシェイプアニメーションなど“動画編集のための部品”として再利用することも可能です。
After Effectsで編集・制作した映像をPremiere Proで使うには、以下3つの方法があります。
方法1を使った場合、PremiereProでの扱いは通常の動画クリップと同じですね。
方法2と方法3は動画ファイル化するのとは違い、編集や修正が可能です。
After EffectsのコンポジションをPremiere Proで読み込む方法、モーショングラフィックステンプレートとして書き出す方法と、それぞれの特徴を見ていきましょう。
見本では前回のレッスンで作ったテキストアニメーションを使っていますが、テキストアニメーション以外もほぼ同じ操作でPremierに持っていくことが出来ます。
After Effectsのコンポジションを、そのままPremiere Proに読み込ませることが出来ます。
細かい調整は出来ませんが、文字の打ち替え、大きさ・位置の変更くらいは可能です。
メリット
デメリット
Premiere Proのファイルの読み込みから、After Effectsのプロジェクトファイルを選択。
どのコンポジションを読み込むのか、というウィンドウが出てきます。
使いたいものを選んでOKをクリック。
プロジェクトパネルに、コンポジションが追加されます。
シーケンスのトラックに、ドラッグ・アンド・ドロップして使いましょう。
初期状態だと、透過部分が黒く表示されていて黒い文字は見えないかもしれません。
その際は設定(スパナのアイコン)から“透明グリッド”を有効にすると良いです。
エフェクトコントロールの“ソース”を開くと、文字の打ち替えができます。
この方法は、After Effectsのコンポジションをそのまま使っています。
ですので、After Effects側で文字色やアニメーションの設定を変更すると、Premiere Proの方でも自動的に変更されます。
例えば、After Effectsで文字色を青に変えると、PremiereProのシーケンスに挿入している文字も青色になるという具合です。
ソース > 編集可能なAfter Effectsテキスト から打ち替えた文字は維持されます。
After Effectsでモーショングラフィックステンプレート(.mogrt)として書き出し、それをPremiere Proで読み込ませる事もできます。
こちらはPremiereProでもある程度編集可能な、テンプレートを作るイメージです。
メリット
デメリット
……など、文字や配色を変えて使い回りたい場合はモーショングラフィックステンプレートを使うと便利です。
Premiere Pro用モーショングラフィックステンプレート素材も多くありますが、イメージ通りのものを探すのは大変。場合によっては存在しません。After Effectsで自作できると表現が広がりますね!
After Effectsで、モーショングラフィックスとして書き出したいコンポジションを開きます。
メニューのコンポジションから「エッセンシャルグラフィックスで開く」を選択。
エッセンシャルグラフィックス、というパネルが開きます。
ここにPremiere Proで編集したいプロパティを追加し、書き出していくイメージです。
テキストレイヤーを展開して“ソーステキスト”をドラッグ・アンド・ドロップしてみましょう。
エッセンシャルグラフィックスパネル、追加したプロパティの右横“プロパティを編集”をクリック。
フォントプロパティの選択画面が表示されます。
全ての項目にチェックを入れて有効化し、OK。
有効化したことでエッセンシャルグラフィックスパネルに表示された内容が、PremiereProでも変更可能になります。
◆塗り色・境界線も変更できるようにしたい場合
文字色や境界線の色もPremiereProの方で変更できるようにしたい、という場合は、別途設定が必要です。
今回は両方、レイヤースタイルの方で追加してみましょう。
レイヤースタイルは、レイヤー名を右クリックで選択できます。
レイヤースタイルの追加が完了しました。
境界線とカラーオーバーレイ、それぞれで必要なプロパティをエッセンシャルグラフィックスパネルに追加します。
何が必要かよく分からない時は、持っていける項目をすべて追加してしまいましょう。
下アニメーションのように、ストップウォッチアイコンがついているものを全部ドラッグ・アンド・ドロップ。
エッセンシャルグラフィックスパネルに追加したプロパティは、並び替えやプロパティ名の変更ができます。
エッセンシャルグラフィックスパネルを整理をして、書き出しボタンをクリック。
保存先を選びます。
今回はお試しですので、ローカルドライブを選択。参照からAfter Effectsプロジェクトと同じフォルダを選んでおきます。
保存場所を設定して、OKで書き出し。
これでAfter Effects側の作業は終了です。
PremiereProのエッセンシャルグラフィックスパネルを開きます。
右下にある“モーショングラフィックステンプレートをインストール”のアイコンをクリック。
先程書き出したファイルを選択します。
一覧に追加されました!
シーケンス(タイムライン)にドラッグ・アンド・ドロップしてみましょう。
シーケンス上に追加された、モーショングラフィックスのクリップを選択。
エッセンシャルグラフィックスパネルを、編集のタブに切り替えます。
すると、After Effectsのエッセンシャルグラフィックスパネルで設定したプロパティが表示されます。
文字を打ち替えたり、色を変えたりと、変更して反映を確認しましょう。
タイトル(仮)がプロパティ名になってしまっているので、変えたほうが良かったですね。
そのほか、最上部で文字を打ち替えれる方が便利かな……など、PremierePro側で実際に設定の表示を見てみる・使ってみると発見もあります。
(左)After Effects /(右)PremiereProのエッセンシャルグラフィックスパネル
PremiereProのエッセンシャルグラフィックスパネルに一覧表示されている、モーショングラフィックステンプレート。
この表示が不要な場合は、右クリックメニューから削除できます。
ただし、この削除はPremiereProの一覧(ローカルテンプレートフォルダー)からの削除。
書き出した.mogrtファイルが消えるわけではありません。
作ったモーショングラフィックステンプレートが不要、という場合は、書き出した.mogrtファイル自体も削除してください。
今回はお試しとして、mogrtファイルの保存先をローカルドライブにして解説しました。
これから本格的に動画編集をしていくときには、保存先を“ローカルテンプレートフォルダー”や、Your Library(My Library)などのCreative Cloud ライブラリにすると良いでしょう。
そうすると、今回のようにPremierePro側からモーショングラフィックステンプレートをインストールしなくても、自動的にエッセンシャルグラフィックスの一覧に表示されるようになります。
モーショングラフィックステンプレートは、保存先によって削除方法が変わります。
例えば、Creative Cloud ライブラリに保存されている場合は、以下のようにPremiere Proの右クリックメニューから削除ができません。
Adobe Bridgeや、Creative Cloud Desktopのファイルタブ、もしくはWeb上のCreative Cloud(https://assets.adobe.com/cloud-documents)から削除する必要があります。
また、ローカルテンプレートフォルダーに保存した場合は、以下の場所に保存されます。
モーショングラフィックステンプレートのデフォルトの場所は次のとおりです。
macOS:username/Library/Application Support/Adobe/Common/Motion Graphics Templates/
Windows:root://Users/username/AppData/Roaming/Adobe/Common/Motion Graphics Templates/引用元:https://helpx.adobe.com/jp/premiere-pro/using/motion-graphics-templates.html
Premiere Proの右クリックメニューから削除すると、Motion Graphics Templatesフォルダ内のmogrtファイルごと削除されます。
前回の実習で作ったテキストアニメーションを、上の解説を参考にモーショングラフィックステンプレートとして書き出してみましょう。
PremiereProが使える方は、PremiereProで使えるか試してみてください。
無料ビデオ講座のお知らせ
Skillhub [スキルハブ]では無料の動画講座を多数公開しています。他校だと数万円するような講座が無料で受講できます。