サイトをリリースして少し経ったら、計測結果を確認してみましょう。得られた数値から検索意図や訪問ユーザーを想像することで、サイトや記事をもっと魅力的に改善することが出来ます。
1.記事企画とキーワード確認
作成した記事が予定通り、想定したキーワードで検索ユーザーに見られているかを確認しましょう。Google Search Consoleを使用します。
公開した記事(ページ)を確認する
記事企画シートを開き、確認したい記事を決めます。
【企画シート】
Search Consoleを開いて、該当するページの検索パフォーマンスを確認しましょう。
グラフの上にあるフィルター条件の「+ 新規」をクリックし、 表示される項目から、ページを選択します。
ポップアップウィンドウに、確認したいページのURLをペーストします。
適用をクリックすると、選択したページのみの表示に切り替わります。 「クエリ」のタブをクリック。
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平均CTR、平均掲載順位にチェックを入れましょう。
下部の詳細パネルまでクロールダウンすると、そのページがGoogleの検索結果に表示された内容が表示されています。
これが現状です。 記事企画の時点で想定したキーワード「通勤,ダイエット」では検索上位を取れておらず、検索ユーザーも誰一人来ていないことが分かります。
検索順位の低い記事
今回の場合のように、キーワードで検索上位が取れず、検索ユーザーの流入がない場合は記事をリライト(文章を再度書き直す)してみると良いでしょう。
リライトの方針は、大まかに下記の2つ。
- A:計画したキーワードで上位表示を目指す
- B:今拾えているキーワードを強化する
※検索順位は常に変動しています。 リライトを行って順位が上がることもあれば、下がることもあります。
これをやれば必ず1位になる!という必勝法はありません。 一旦記事を置いておいて順位変動を見守る、下記で紹介するようなリライトを行って前と後で比較する、など様々な方法を試しながらベストなコンテンツを練り上げていきます。
【A:計画したキーワードで上位表示を目指す】
狙ったキーワードで上位表示されるように記事をリライトする際は、競合サイト、つまり「そのキーワードで上位表示されているサイト」を調べてみましょう。 どんなサイトか、どのような記事を書いているのかを参考に、それ以上にコンテンツを充実させることを心がけます。
競合サイトの検索時には、シークレットモードもしくは普段使用しないブラウザを使用するのがオススメです。
これはブラウザにWebサイトを閲覧した履歴やデータが残っていると、検索エンジンが「このサイトよく見るよね」と気を利かせて検索結果を表示させる可能性があるためです。 履歴のないクリアな状態で見ることで、Search Consoleに表示されているリアルな検索結果が分かります。
Google Chromeの場合は画面右上のメニューから選択すると、シークレットモード(シークレットウィンドウ)が使用できます。
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黒っぽいウィンドウが開くので、こちらで検索してみましょう。 検索上位のページをいくつか確認し、参考にしつつ、自分の書いた記事をリライトしていきます。
【B:今拾えているキーワードを強化する】
下のSearch Consoleの検索パフォーマンス(クエリ)画面をもう一度見てみてください。
- 歩く 効果 ダイエット
- 通勤 歩く 無駄
- ウォーキング 効果 ない
では、そこそこの掲載順位とCTRを取れていることが分かります。 狙ったキーワード「通勤,ダイエット」は掲載順位がかなり低いので、キーワードをこの上位に来ているものに変更してしまうという方法もあります。
こちらも変更候補のキーワードを検索して、上位表示されている競合を調べてみましょう。 ユーザーの検索意図を考えながらキーワード、タイトルを考えます。
【元のタイトル】 通勤時間でダイエット…のはずが、無駄に歩くだけになっていませんか?
【変更案】 1.歩いてもダイエット効果はない! 無駄にならないウォーキングのススメ 2.通勤で+1駅歩くは無駄だった?! ながらダイエット成功の秘訣とは
タイトルに合わせて記事の内容を補足したり、記事中の「痩せない」を「ダイエット効果がない」に置き換えてキーワード密度を増やすなどのリライトを行い更新します。
記事をリライトしたら、Search Consoleからインデックス登録のリクエストを行います。 翌日、一週間後…と定期的に検索パフォーマンス画面を確認し、更新の効果があったかをチェクして下さい。
2.ユーザーの反応を確認する
次に、サイトを訪れたユーザーに記事ページ/サイトがどのように捉えられているかGoogle Analyticsを使用して考えてみましょう。
なお、Analyticsの基本操作・用語については レッスン:Google Analyticsでアクセス解析を行う をご確認下さい。
1.現状を知る
ユーザーがどのくらいの時間、そのページを使用していたかが分かる指標が「平均エンゲージメント時間」(※旧アナリティクスでの平均滞在時間に相当)です。
ユーザーが長くWEBページを読んでいたということは、その内容が興味をもてるものだった=魅力があったと捉えられます。平均エンゲージメント時間が長いほど、記事が上手くかけている/検索ユーザーのニーズに答える内容に仕上がっている可能性が高いのです。
では、平均エンゲージメント時間を見てみましょう。 Google Analyticsにログインして、左メニューのエンゲージメントをクリックします。 収納されていたメニューが表示されるので「ページとスクリーン」を選びます。
グラフの下に表示されている表部分、 赤い点線で囲った「平均エンゲージメント時間」の列を見てみましょう。 各ページごとの平均エンゲージメント時間が表示されています。
2行目にあるブログ一覧は、一覧から読みたい記事を選ぶページです。 ですので、記事数が少ない場合はエンゲージメント時間は短くて当然です。
問題は1列目に表示されているような、記事ページですね。
日本人が1分間に読める文字数の平均は400~600字。
引用元:devroom
このページで公開している記事は約4500文字だとしましょう。 記事全てを読むと4500÷600=7.5分が読了目安時間です。
対して、平均エンゲージメント時間は0分43秒。 テキストを読むのために何の操作もしていない時間がある・流し読みで読み飛ばす部分があるとしても、明らかに短すぎますよね。
結論:このページを開いた多くのユーザーは、記事を最後まで読んでいない
2.仮説を立て、変更する
検索結果画面もしくはSNS等のリンクから、自分のサイトのページを開いたユーザーがすぐに閲覧を止めてしまった理由を考えましょう。
計測数値は平均ですし、ユーザー全員に思惑を聞けません。 仮説を立てて、それに沿うようにサイト/ページの修正方法を考えます。
【仮説】 記事が読みにくいと思って、別のページに行ってしまった
【修正箇所】 文字サイズ、行間を見直す テキストと画像の比率を変える 見出しのデザインを変える 1ブロックの文字数を減らす
これを元に、記事の書き方やcssを変更していきます。
●ページ/サイト構成の見直しも
旧プロパティ(ユニバーサルアナリティクス)の画面では、「直帰率」と「離脱率」という項目を確認することが出来ます。 この2つの数値が高い場合、サイトの構成を見直すこともあります。
- 直帰率:ページを訪れたユーザーが、そのままサイトから出ていった割合
- 離脱率:サイトを訪問したユーザーが、このページでサイトの閲覧を止めた割合
①ページ内容に問題はないか 該当ページの平均エンゲージメント時間(※旧アナリティクスでの平均滞在時間)と見合わせて、ページ内コンテンツがユーザーに響いたのか確認します。時間が短ければリライトなど内容の確認、長いのに直帰率が高ければ②を考えます。
②サイト内の回遊性はどうか コンテンツはしっかりと読まれているのに、ユーザーがそのまま帰ってしまっている場合は「他のページを魅力的に見せられているか」を考えます。
例えば * ユーザーが興味を持ちそうなページはどこか * 関連記事の位置は分かりやすいか * 関連記事のデザイン・レイアウトはどうか
などです。 検索エンジン/リンク元から来たページは興味があったけれど、他に面白そうな記事が無いからサイトから出ていった…という可能性を考えるわけですね。
また、ブログの一覧ページやフロントページからの離脱率が高い場合は、アイキャッチやタイトル・抜粋文の配置やデザインを見直します。「こんなに魅力的なコンテンツがあるから見て」ともっとユーザーにアピール出来るようにするのです。
3.変更前と後を比べる
仮説に基づいてサイトレイアウトや記事を変更した後は「変更したことで変化はあったか」を計測しましょう。
変更した日、もしくはその翌日を挟んで比較することで 仮説は合っていたのか(改善されたのか)が分かります。
期間比較は赤い点線で囲ったアイコンから行えます。
まとめ
Google Search Consoleでは、狙ったキーワードで検索結果画面に表示されているか、クリックされているかを確認できます。
Google Analyticsでは、サイトを訪れたユーザーがどのくらい真剣にページを見てくれたか、他のページにも興味を持ってくれたかが分かります。
この2つの計測結果とサイトを見合わせることで、各ページの問題点が見えてきます。 とは言え、ここを直しなさいとまでは教えてくれません。始めてサイトを訪れるユーザーになったつもりで考え、いくつかの仮説を立ててみましょう。
修正・変更が裏目に出てしまうこともあります。 しかし、それは失敗ではなく経験です。 何もしなければ停滞、もしくは悪化していきます。「このページの検索順位をもっと上げたい」「ページを開いてくれたユーザーに最後まで見て欲しい」など目的が見えたら、思いついた改良を試してみましょう!
記事やデザインを大幅に変更する時はバックアップを取っておくのがおすすめです。