動画の文字入れについて
動画編集で代表的な作業としては、文字の追加もあります。
- テロップ
- キャプション
- サブタイトル
- 字幕
などなど、映像に重ねて表示する“文字情報”には多くの呼び方があります。 文字を入れる目的も、補足や強調、聴覚に障がいのある方向け(バリアフリー字幕)、言語が違う方向け(翻訳字幕)など様々です。
テロップやキャプションなど、映像に追加する“テキスト”の呼び方は人によって、使い分けが結構違っています。 クライアントと話す時は、お互いの認識にズレがないか確認すると良いでしょう。
違いの整理が論文化されるくらい、混沌としています。
https://www.jsise.org/taikai/2012/program/contents/pdf/F6-1.pdf
ちなみに、テロップは元々プロジェクタのような装置・それを使う技術のこと。
しかし、日本の放送業界では「動画内にのせる文字情報」を示す言葉として定着しています。 TV番組やYouTubeでも耳にする機会が多いので、一般の方にも馴染みのある呼び方になっています。
このため日本国内では、以下の呼び分けをしている方が比較的多いかと思います。
- テロップ:発言や動画内容のうち、強調・補足したい部分をテキスト化したもの
- キャプション:動画内の発言や行動をそのままテキスト化したもの
- サブタイトル:動画内の言葉(セリフやナレーションなど)のテキスト化、翻訳字幕
- 字幕:キャプション・サブタイトルの総称
今回の動画では、補足や強調のための文字を少し加えていきます。 本講座内では、この追加するテキストを「テロップ」と表記します。
Premiere Proのキャプション機能と使い方
キャプション機能とは
Premiere Proには文字起こしベースの編集の時に使った、自動文字起こし機能がありましたね。 この文字起こしデータを使って、映像に合わせてキャプションを作成してくれるのがキャプション機能。 キャプション機能を使うと一括で、文字起こしにある全てのテキストが挿入されます。
補足や強調として部分的にテロップを入れたい場合は、テキスト化する内容によって必要か不要かが分かれます。
- 映像にある言葉メインでテロップを作る→キャプション機能を活用
- 補足説明が中心のテロップを作る→最初から手打ちする
今回は、映像内で話されている中で強調部分をテキスト化します。 知っていると便利な機能でもありますので、使ってみましょう。
キャプション機能、基本の使い方
テキストパネル上部にあるタブ部分で、キャプションを開きます。
文字起こしからキャプションを作成、をクリック。
キャプションの作成ウィンドウが開きます。 キャプション環境設定を開いて、文字数などを調整してください。
デフォルトの設定だと、かなり文字が詰まった印象になります。 見本では最大文字数を20、最短デュレーション2.6に変更して作成します。
「キャプションの作成」ボタンで、キャプションを作成してください。 下図のように、タイムラインの上部にC1 サブタイトルというトラックが追加されます。
タイムラインを拡大してみてください。 クリップ1つ1つが、キャプションタブのブロックと対応していることがわかります。
キャプショントラック(Cトラック)について
Cから始まるキャプショントラックは、以下2つの書き出しが可能です。
- ビデオトラックやオーディオトラックと同じく、最終的に一つの画像として書き出す
- クローズドキャプション用データとして別途書き出す
クローズドキャプションとは、視聴者がON/OFFを切り替えられる字幕のこと。 身近なところだと、You Tubeの字幕ボタンで表示できる文字が挙げられます。 TVの字幕放送などもありますね。
動画元:https://www.youtube.com/watch?v=eRc6DprPSyI
You Tube用動画の場合は、You Tube(YouTube Studio)自体にも字幕の自動生成機能が用意されています。
ただ、精度や文字・言葉を切るタイミングはイマイチ。 自動生成されたテキストの編集も可能ですが、作業のしやすさ・効率面では動画編集ソフトに軍配が上がります。
このため、Premiere Proのキャプショントラックから、字幕(srt)ファイルを書き出し、アップロードする方も多いわけです。
キャプションの編集・調整
文字起こしから作成したキャプションは、最大文字数やデュレーションの設定に従って機械的に分割されています。 ですので、話の流れとして「そこで区切ると、ちょっと……」という部分もあると思います。
例えば、以下のような部分です。 「キャーって」で切れてしまうと、ちょっと違和感がありますよね。
キャプションクリップは分割・結合ができます。
自動文字起こしの時と同じく、ダブルクリックすると文字の打ち替えも可能です。
音声をすべてテキスト化する場合は、キャプションクリップを分割・結合して調整していきます。 (※本講座では、全てのキャプションを調整する必要はありません)
通常のクリップのように、タイムライン上で伸縮させることもできます。 どちらの方法も間違いではないので、やりやすい方法で調整してください。
キャプションのスタイル
キャプションの文字サイズや色、表示位置などはエッセンシャルグラフィックスパネル(編集タブ)で設定します。 テキストツールで文字を入力した時と、基本的な操作方法は一緒です。
トラックスタイルを作成すると、一括でキャプションすべてのテキストスタイルが設定でき便利です。 方法は以下の動画をご確認ください。
実習
ご自身のプロジェクトでも、Premiere Proのキャプション機能を使ってみてください。
- 文字起こしからキャプションを作成してください
- キャプションのフォントや文字サイズ・位置などを見やすいよう調整してください
- 設定したテキストのスタイルを保存してください
- Lesson2と3のシーケンスも、保存したスタイルを使ってキャプションを作成してください
本講座ではフルテロップ化はしませんので、誤変換やキャプションの区切り方をすべて直す必要はありません。 ただし、作成したキャプションクリップは次回のレッスンで使用します。