タイムラインのトラック
トラックについて
Premiere Proでは、タイムラインで素材を配置する“行”のことをトラックと呼びます。 V3やA1などと書かれた、横方向に伸びている帯のような部分です。
トラックの左端にあるVはビデオトラック、Aはオーディオトラックを意味しています。 上図のLesson1シーケンスでは、素材の映像部分がV1トラック、音声部分がA1トラックに入っています。
また、映像を配置する“V”のトラックは、Photoshopなどでいうレイヤーと同く、層状に重ねて表示する仕組みとなっています。
タイムラインの並びで、上(Vの後の数字が大きいトラック)に配置されている映像ほど、前面に表示されます。 例えば、V2に画面いっぱいの映像があると、その下のV1トラックの映像は見えなくなるので注意して下さい。
オーディオのトラックに関しては、レイヤーのような仕様はありません。 A1、A2……と、重ねて配置しても全ての音が聞こえます。
上記スクリーンショットと表示が違う?!
スクリーンショットと表示が違う、表示されていない項目がある、という方もいらっしゃるかもしれません。 例えば「ビデオ1」などトラック名が表示されていない、などです。
その場合は、トラックのアイコン横あたりをダブルクリックしてみてください。 トラック幅(高さ)が広くなると、表示されるはずです。
アイコンやトラック名の表示位置調整方法は、次の章で解説します。
トラックに表示されるアイコンの意味
本格的に編集を行う前に、トラックに表示されているアイコンを簡単に確認していきましょう。
これらは、最初から全て覚える必要はありません。 なんとなく「こんな機能がある」と頭の片隅に置いておいて下さい。
1:挿入や上書きを行うソースのパッチ
左端に表示されている「V1」と「A1」は、挿入や上書きを行うソースのパッチ。 プロジェクトパネルやソースパネルから、インサート(ショートカットキー,)や上書き(ショートカットキー.)を使った時に、クリップを挿入するトラックを示しています。
2:トラックのロック
白く鍵が空いたアイコンは非ロック状態。 クリックするとロックが掛かり、そのトラック上のクリップに対する操作ができなくなります。
3:同期ロック
ビデオトラック、オーディオトラックの両方にある、2つの箱を繋げたようなアイコンは同期ロックと言います。
デフォルトはロックされている状態、クリックするとロックが解除できます。 他の素材をインサートする(挟み込む)際に、同期ロックを解除しておくとクリップが分割されません。
4:トラック出力の切り替え(表示・非表示)
ビデオトラックにある目のアイコンは、そのトラックを表示するか・しないかの切り替えです。 デフォルト状態は表示、アイコンに斜線が入ると非表示です。
5:トラックをミュート
有効にすると、そのトラックの音をミュート(消音)にします。 Mの文字の後ろに背景色が付いている場合、有効化されています。
6:ソロトラック
ソロトラックをONにしたトラックの音のみを再生します。 Sの文字の後ろに背景色が付いているとONです。
7:ボイスオーバー録音
マイクのアイコンはボイスオーバー録音。 設定しているサウンド入力機器を使って、直接、アイコンを押したオーディオトラックに録音を行うことが出来ます。
ご自身で映像を見ながら、実況・ナレーションを入れる以外はあまり使わないかなと思います。
素材を挿入するトラックについて
プロジェクトパネルやソースモニターから、インサートや上書きを実行すると、タイムラインの左端『挿入や上書きを行うソースのパッチ』が点灯しているトラックにクリップが配置されます。
しかし、タイムライン内でコピー・アンド・ペーストする際には、『挿入や上書きを行うソースのパッチ』の指定は効きません。
これは、Premiere Proでのショートカットキーの問題。 ペーストのショートカットキー(Ctrl + V / ⌘ + V)が“同じトラックにペースト”に割り当てられているためです。
ここでの“同じトラック”とは、コピー元のクリップが配置されているトラックのことです。 V1からコピーしたクリップはV1に、V3からコピーしたものはV3に貼り付けられます。
ペースト先をターゲットトラックに変更したい場合は、編集 > キーボードショートカットで割当を変更できます。 (※ 今すぐ変更する必要はありません。)
Premiere Proで編集操作をしていく中で、コピー元と同じトラック、ターゲットトラックのどちらが使いやすいか考えてみて下さい。 必要に応じて、ショートカットキーの変更、自分オリジナルのショートカットキーを設定していくと良いです。
トラックのカスタマイズ
トラックの表示をカスタマイズする方法を見ていきましょう。
トラック表示のカスタマイズ
各トラックの見出しのような部分、トラック名やアイコンの位置はお好きにカスタマイズが可能です。
この先のレッスンでは複数個のトラックを使って作業を行っていきます。 以下の動画を参考に、トラック名をつけるなど、ご自身が使いやすいようカスタマイズして進めて下さい。
トラックの追加・削除
調整レイヤーやテキストなどを加えていくと、トラックが更に必要になる場合もあります。
トラック数の変更も、タイムラインの左側(トラックの見出し部分)を右クリックして開く、コンテキストメニューから行えます。 「複数の~」では一気にまとめて追加もできるので、必要に応じて使用して下さい。
赤い線で囲ったメニューは、トラックの削除です。
例えば、今回の場合、用意されている素材映像のオーディオチャンネルは2。
シーケンスプリセットから作ると5.1ch
のトラックが3つ用意されていますが、使用する可能性は低いです。
必要に応じて追加すれば良いので、見やすいように削除してみましょう。
実習
タイミラインのトラックを使いやすいようにカスタマイズしてみましょう。 こちらは、基本的にはお好みに合わせて設定していただけば良いです。
以下3つの設定をして頂くと、講座のスクリーンショットと同じになるので次回以降のレッスンを進めやすいかと思います。
- V1トラックのトラック名を「実写映像」にする
- A1トラックトラック名を「実写音声」もしくは「実写音源」にする
- 5.1ch用のトラック(A4~A6)を削除する