クリックノイズの除去
カットしたところ入る「プッ」という音
カット編集をすると、つなぎ目のあたりで「プッ」もしくは「プチッ」というような音が入る時があります。
この音はクリック音やクリックノイズと呼ばれるもの。 カットしたポイントの波形のズレによって生じるノイズです。
クリックノイズの除去
クリックノイズを無くす方法としては、編集点に“クロスゲイン”もしくは“クロスパワー”を追加するのがオススメ。
解説で編集しているものでは、Lesson3シーケンスで分かりやすいクリックノイズが入っています。 エフェクトの追加方法と、適用による効果をご確認下さい。
カットした位置によってクリックノイズはあったり、無かったりします。 ご自身のプロジェクトでカットしたあたりを確認して、必要箇所にエフェクトを適用して下さい。
映像の調整
色調・露光の差が目立つとき
素材動画をカットすると、色味や露光の違いが目立つこともあります。 (ライティングやカメラがしっかりしている場合、あまり起こりません)
例えば、解説でカットしたところではLesson1の前半。 明るさ(露光)の差が大きく、再生すると違和感があります。
こういった場合は、Lumetriカラーなどで補正して、繋ぎ目の差を緩和すると違和感が減ります。
今回のように映像の露光自体がブレている場合は、キーフレームを使うと良いでしょう。 編集点に近いところだけ効果を適用し、徐々に効果を無くす(ゼロにする)形です。
ビデオトランジションについて
ビデオトランジションはシーンの切り替わりなどに使うのが主体。 言い直しをカットしたような部分で、逐一クロスディゾルブやリニアワイプが入ると鬱陶しくなってしまいます。
以下でご紹介するモーフカットなど、あまり“トランジション”感を与えないものを使うと良いでしょう。
モーフカット
“カットの繋ぎ目”を滑らかにするために、Adobeが推奨しているのが“モーフカット”というエフェクト。 ビデオトランジション > ディゾルプ の中にあります。
トランジションエフェクト追加だけで繋ぎ目が滑らかになったら、素晴らしい!
……のですが、モーフカットが効果を発揮するには条件があります。
最良の結果を得るには、話し手が 1 人で背景が静止している固定ショットにモーフカットを適用します。
引用元:Adobe Premiere Pro ユーザーガイド / Premiere Pro のモーフカット
背景だけではなく、話し手自体があまり動いていない映像のほうが良いです。 今回の素材だと、Lesson1やLesson2のように動きながら話している映像も向いていません。
編集点前後の映像によっては、以下のような状態になります。 * 長時間「バックグラウンドで分析中」と表示されて、モーフカットが適用されない。 * 薄モザイク(ぼかし)たような映像になり、綺麗に仕上がらない。
「バックグラウンドで分析中」となっている間も、他の作業は行うことが出来ます。 モーフカットが使えそうな箇所は試してみて、結果が良くなかった、延々終わらない、などの場合は削除すると良いでしょう。
ショートカットキーと設定
内容 | ショートカットキー |
---|---|
次の編集点へ移動 | ↓ |
前の編集点へ移動 | ↑ |
1フレーム前へ移動 |
←
( Shift + ← で5フレーム移動)
|
1フレーム後へ移動 |
→
( Shift + → で5フレーム移動)
|
ビデオクリップに トランジションを適用 |
Windows: Ctrl + D |
Mac: Command + D |
オーディオクリップに トランジションを適用 |
Windows: Ctrl + Shift + D |
Mac: Command + Shift + D |
動画では使いませんでしたが、ビデオトランジションもデフォルトに設定されているものはショートカットキーで追加できます。
デフォルトにしたいエフェクト名を右クリックする、よく使うエフェクトに変更も可能です。
実習
前回までカット編集を進めたLesson1~3シーケンスで、編集点(クリップの繋ぎ目)前後を確認。 必要な部分があればクリックノイズの除去や、モーフカットなど映像の調整を試してみて下さい。