低コストかつ費用対効果が高いことから、個人事業から大手企業まで活用しているWeb広告。
Webデザイナーとして活動していても、画像(バナー)作成などWeb広告に関わるお仕事はあります。よく使われている広告出稿先や、オーソドックスな画像サイズについて知りましょう。
Webデザイナーのお仕事の中には、広告用バナーの作成も含まれています。LPを作って、そこに導くための広告画像を作ることもあるでしょう。
Web広告とは、インターネット上のメディア、メールなどに掲載されている広告全般を指します。
人によって、インターネット広告、デジタル広告、オンライン広告などと呼ぶこともあります。
仕事や私生活でインターネットを使う中で、誰しもが広告・Ad・スポンサーリンクなどと書かれたWeb広告を見た経験があると思います。
例えば、Yahoo! JAPANでは右サイドバー上部に必ず広告が表示されています。
画像元:https://www.yahoo.co.jp/
You Tubeで動画を見ていると広告が流れますし、Twitterのタイムラインなどでも投稿の間に広告が挟まっていますね。
あらゆるところでWeb広告が使われています。
TV広告や新聞広告と比較して、Web広告は広告費が少なく、細かいターゲティングが可能であることが大きなメリットです。
これまでの広告は、掲載もしくは放映する度に費用がかかっていました。誰がそれを見ていたかは関係ありません。誰一人見ていなくても費用は発生します。
対して、Web広告は商品やサービスに適したターゲットユーザーを絞り込んで配信ができます。つまり、商品やサービスを知ってほしい人にだけ広告を見せられます。費用についても広告を表示した表示回数、クリックした回数から計算されるので、1日あたり数百円でも広告を出せます。
低コストかつ費用対効果が高いので、TVやオフライン媒体の広告費を減らして、Web広告の予算を増やす企業が多くなっています。
Webデザイナーが主に担当するのは、広告として掲載する画像(Webバナー / バナー広告)の作成です。
基本的にはクライアントの方で広告の出稿先を決めているので「このサイズとこのサイズで作ってください」と指示されます。
ただ、クライアントがあまりWebに詳しくない方であれば、指示がはっきりしない・そもそも良く分かっておらず相談される……なんて事もあります。Webマーケター並の知識は必要ありませんが、主要な広告出稿先を知り、必要に応じて各広告の規格(画像サイズなど)を調べられるくらいの準備をしておくと安心です。
Web広告のカテゴライズはいくつかありますが、広告を出稿する以下の4つに大きく分けられます。
アドネットワーク広告は、広告媒体を集めて作った広告配信ネットワーク通じて、配信される広告のこと。簡単に言うと、アドネットワーク事業者(アドサーバー)にお金を払えば、提携されているWebサイト・ソーシャルメディア・ブログなどへ一括で広告配信が出来る仕組みです。
画像元:https://www.trans-plus.jp/blog/column/adtechnology_190328
広告主・サイト所有者、どちらにとっても、1つずつ掲載交渉する必要がないことがアドネットワークのメリットと言えますね。
アドネットワークの代表格はGoogle Display Network(GDN)とYahoo!ディスプレイ広告(YDA)。下図はYahoo!から配信されているバナー広告です。
また、アドネットワーク広告は多彩な広告フォーマットが用意されていることが特徴。
普段Webサイトで見かけるバナー広告なども、アドネットワークで配信されていることが多いです。コンテンツ連動型広告(ディスプレイ広告など)や、リターゲティング広告などのターゲディング広告類も、アドネットワーク広告の中のメニューとして提供されています。
最もオーソドックスな「Web広告」と言っても過言ではないでしょう。
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索したワードと連動して表示される広告のこと。
Googleの検索結果画面だと、下図のようにURLの横に“広告”と表示されているものがリスティング広告です。
SNSでも、投稿の中やサイドバーなどで結構広告を見かけると思います。
SNS広告は、FacebookやInstagramなどに費用を支払うことで下図のような広告を掲載します。
ちなみに、TwitterがSNSかの論議はありますが、Twitter広告もSNS広告に含まれます。
アフィリエイト広告は、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)が仲介して、ブログやメディア運営者に広告を載せてもらうという仕組みです。アフィリエイト広告は基本的に成果報酬型。1クリックいくらではなく、ユーザーが資料請求・商品購入など設定したアクションを起こした場合に報酬が支払われます。
Webデザイナーの主な受け持ちはバナーなど「画像」部分。
ですので、リスティング広告は存在を知っていれば大丈夫です。また、アフィリエイト広告は画像サイズの自由度が高いところもありますが、多くはGoogle広告などの広告サイズに準じて作成されています。
このため、主要な『1.アドネットワーク広告』と『3.SNS広告』を押さえておけば、だいたい対応可能です。
それぞれメジャーな広告出稿先と、推奨されるバナーサイズを見ていきましょう。
Web上でよく見かける、以下のような広告。
右上の「i」のマーク(インフォメーションアイコン)にマウスカーソルを重ねると、広告の提供元が確認できるケースが多いです。
Google広告の中で画像を使うものは、主に“レスポンシブ ディスプレイ広告”と“アップロード型ディスプレイ広告”の2種類。
Googleは“レスポンシブ ディスプレイ広告”という、掲載場所に合わせてサイズやレイアウトを自動調整してくれるタイプのディスプレイ広告を推奨しています。クライアントがどの広告タイプを使うか決めかねている場合は、こちらに合わせておくと良いでしょう。
レスポンシブ ディスプレイ広告で使用する画像サイズ要件は、以下のように書かれています。
アスペクト比1:1のスクエア型、アスペクト比1.91:1の横長型のどちらかを使う形ですね。
画像は必要に応じて縮小すれば良いので、赤線で囲ったサイズで作成すると良いです。
また、アップロード型ディスプレイ広告で使える画像サイズ(仕様)は以下URLで紹介されています。
Yahoo!広告も、レスポンシブ広告はgoogle広告と同一。
この2つの画像サイズが基本となっています。
出典:https://promotionalads.yahoo.co.jp/online/bannersize.html
バナー(画像)の方も、googleのアップロード型ディスプレイ広告と同じものが多いですね。
Google広告、Yahoo広告用の画像は、レスポンシブ広告用の2サイズを最初に用意すると汎用性が高いでしょう。
どちらも純画像広告(アップロード型ディスプレイ広告/バナー広告)でも利用されているサイズでもあります。
また、純画像広告だと縦横比6:5のレクタングル型が多く使われています。
デザインによっては、下図のように縦横比1:1のスクエア型から切り出して使うことも出来ます。
Facebook広告とInstagram広告の要件は、ほぼ同じ。
広告の種類や推奨事項/要件も、すべてFacebook広告ガイド(https://www.facebook.com/business/ads-guide/)で確認できます。
Facebookフィードの場合は以下のように書かれています。
より簡単にまとめると、以下の条件がFacebookフィード広告に使う画像の推奨サイズといえます。
Google/Yahoo!のレスポンシブ広告の推奨画像サイズと似ていますね。
また、FacebookもInstagramも、ストーリーズ広告などでアスペクト比9:16 (1,080px × 1,920px)の、スマホで全画面表示されるサイズが推奨されています。
出典:https://www.facebook.com/business/ads-guide/update/image/instagram-story
Facebookが提携しているアプリに広告を配信するAudience Network(オーディエンスネットワーク)でも、このサイズは使えます。Facebook系統を中心に広告出稿をする場合は、こちらもあると良いでしょう。
Lineでも、ホームやトークの一覧画面など、色々なところで広告を見かけますね。
画像元:LINE Business Guide 2023年4月-9月期https://www.linebiz.com/jp/download/
画像の入稿サイズについては、LINE広告(LINE Ads) 入稿規定マニュアルで以下のように書かれています。
と、2つはGoogle/Yahoo!と一緒です。
Youtubeを使ったことがある方なら、一度は目にしているであろう動画広告。
Youtube広告(Youtube動画広告)とは呼ばれていますが、正式には“Google広告”の一種です。YouTubeにアップロードした動画を使って、Google広告から設定します。
Youtube広告はバンパー広告やインストリーム広告など“動画広告”のイメージがありますが、画像広告も出稿できます。
代表的なのは、下図のようにPCでのみ表示されるオーバーレイ広告(動画の下部に表示される広告)。
画像は468×60 または 728×90 ピクセル、と横に細長い仕様です。
そのほかに、Googleファインド広告という、Googleが保有するサービス内の広告枠への配信もあります。
YouTubeでは、ホームフィードや次のおすすめフィードに広告が表示されます。
制作コストの高い動画広告がなくてもYoutubeに配信ができる!と、リリース時に話題になりました。
Googleファインド広告で使用できる画像は、下記3タイプです。
このうち、最低でも横向き(1.91:1)または スクエア(1:1)の画像が1枚以上必要です。
両方ともレスポンシブ ディスプレイ広告の推奨サイズと同じですね。
縦向き画像は必須ではありませんし、Youtubeでは使われていません。優先順位的には下がるでしょう。
※ファインド広告アセットについて、詳しくは下記の公式ヘルプをご確認ください。
アドネットワーク系のディスプレイ広告でも、SN広告でも、基本と言える優先順位の高い画像サイズは以下2つです。
どこに、どんな広告を出すか断定していない時は、まずこちらの2つを作ると無難ですね。
その他のサイズは、ターゲット層によって変わります。
若年層がターゲットでFacebook/Instagram広告を出す場合は、アスペクト比 9:16 (1,080px × 1,920px)のスマホ全画面サイズの優先順位が高いでしょう。反対に、年齢層が高めだったり、PCで見ているユーザーが多いと想定している場合は、ビッグバナー(728px × 90px)あたりのサイズを依頼されることもあります。
クライアントから明確な指示がない場合は、ターゲットユーザーなどを確認しつつ決めていくと良いでしょう。
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