Webマーケティングを行う場合、どんなユーザーがサイトを訪れているか、施策を行う前と実施後にどのような変化があったかを計測する必要があります。計測できると、訪問ユーザー自体が少ないのか、訪問ユーザーは多いのにコンバージョンに繋がっていないのか、現状も見えてきますよ。
前回のレッスンで配置したCTAなどの分析と改善には、現状の分析が必要不可欠です。
分析・改善を行うため、対象のWebサイト/Webページを計測して情報を集められるようにしておきましょう。
前レッスンではでは、効果的なCTAを作成する為のポイントを確認しました。
ここで「効果を上げられる具体的方法はサイトによって異なる」という点が何度もありましたね。これは、分析と改善によって自社サイトにとって効果的な方法を見つけることが出来ます。
そして、分析を行うために必要なのが情報です。
CTAがあるページはどのくらい見られているか、そのうちCTAをクリックした人は何%位なのか……そういった情報がなければ、分析しようにも出来ないですよね。
そこで登場するのが、アクセス解析ツールと呼ばれる、サイト内行動データが解析できるツール。
アクセス解析とは、Webサイトを訪れたユーザーの行動・特性などを分析することです。
今回は世界的にポピュラーで、無料で使用可能な「Google Analytics」を使ってみましょう。
画像元:https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics/benefits/
「Google Analytics」を使うために必要な、セッティング(導入)の手順をみていきましょう。
以下のURLから、Googleマーケティングプラットフォームを開きます。
そして「Googleマーケティングプラットフォームにログインする」をクリックしてください。
Googleアカウントをお持ちでない場合は、新規作成して下さい。
また、ログイン済みの方は、次のステップに進んでください。
インサイトとデータをお探しの場合という項目にある「アナリティクス」の「設定」をクリックしてください。
「Google Analytics」の登録画面に移動します。
必要情報を入力していきましょう。
任意のアカウント名を入力します。
企業名や事業名を設定することが多いです。
その他の部分は、デフォルトのままで大丈夫です。
「次へ」をクリックしてください。
任意のプロパティ名を入力します。
プロパティはアカウントの下位層で、データの取得範囲を定義する単位です。サイト名などにしておくと良いでしょう。
日本のサイトであれば、タイムゾーンと通貨も日本に変更しておきましょう。
「次へ」をクリックしてください。
ご自身のサイトに当てはまる内容をえらんでください。
チェックを入れてください(空のままでもOK)、
「作成」ボタンをクリックして下さい。
作成をクリックすると、利用規約のウィンドウが出てきます。
言語を切り替えられるので、目を通しておきましょう。
同意のチェックを入れて「同意する」ボタンをクリックしてください。
少し待つと、Google Analyticsのダッシュボード(ホーム)に移動します。
メール配信のポップアップは、欲しい情報にチェックを入れても、すべてオフでも、どちらでも構いません。
登録直後は、下図のようにデータストリーム選択画面が表示されています。
「Web」をクリックしてください。
※別の画面に移動してしまった方は、左下の歯車アイコンから開けます。
ウェブストリームの設定、というウィンドウで、分析したいサイトのURLとストリーム名を登録します。
拡張計測機能の部分はデフォルトのままで良いです。
ウェブサイトのURL、ストリーム名を入力すると「ストリームを作成」ボタンがクリック可能になります。
クリックしてみましょう。
ウェブストリームのウィンドウに切り替わり、実装手順が表示されます。
「手動でインストールする」のタブをクリック。
赤い点線で囲った部分がGoogleタグ、データを集めてGoogle Analyticsに送る為のコードです。
コードをコピーしてください。右上にある“コピー”のアイコンを使うと早いです。
HTMLサイトの場合は、分析したいページのHTMLファイル全てにGoogle タグを貼り付けます。
貼り付ける場所はheadタグの直後です。
【例】
<head>
<!-- Google tag (gtag.js) -->
<script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=●-000000000"></script>
<script>
window.dataLayer = window.dataLayer || [];
function gtag(){dataLayer.push(arguments);}
gtag('js', new Date());
gtag('config', '●-000000000');
</script>
</head>
ここまでで、Google Analyticsの導入は完了です。
Googleタグを貼り付けても、即座に反映はされません。
Google Analyticsの表示から考えるに、反映までは最長48時間かかるようです。
Googleタグを設置したら、時間をおいてから、再びGoogle Analyticsにログインしてみましょう。
「ウェブサイトのデータ収集は有効です」と表示されていたら、Googleタグの設置は成功しています。
不安な方は、自分で設定したサイトにアクセスしてみましょう。
“過去 30 分間のユーザー”のパネルや、左メニューのレポートを開いて、数字が増えているか確認できます。
これで、Google Analytics4(GA4)登録と導入は完了です。
Google Analytics4では、アクセス解析の情報の確認をレポートで見ます。
メニューの「レポート」では、サイト全体の状況を掴むためによく使う項目がセッティングされています。
レポートの中のメニューは「ユーザー」と「ライフサイクル」の2つに分かれています。
ユーザー属性では、サイトを訪れたユーザーの属性を中心としたレポートが確認できます。
属性というのは、アクセスしている場所(国/市区町村)や、性別などですね。
テクノロジーは、ユーザーがサイトを見るのに使っている端末を中心としたレポートです。
PCとスマホ、どちらでアクセスする方が多いのか。ブラウザは何を使っているのか…など、ユーザーがサイトを見ている時の環境を軸にレポートを確認できます。
Google Analytics4の「レポート」メニューの中で、サイト規模や業種を問わずよく使うのがライフサイクルです。
集客の項目は「ユーザーがどこからサイトを訪問しているか」に中心としたレポートが確認できます。
「ユーザー獲得」は新規ユーザーの流入データ、つまり、新規ユーザーがどこから来たかを確認できます。
「トラフィック獲得」は訪問(セッション)ベースで、すべての流入データが見られます。
エンゲージメントでは、あなたのサイト内での、ユーザー行動を中心としたレポートが確認できます。
などがわかります。
エンゲージメントの「ページとスクリーン」では、Webページごとの閲覧数や滞在時間などを確認できます。
CTAをクリックしたときに遷移するページ=コンバージョン獲得を目的としたページが、どのくらい表示されれているか確認してみましょう。
レポート > エンゲージメント > ページとスクリーンを開きます。
グラフの下に、ページごとの表示回数(PV数)やアクセスユーザー数が表示されます。
サイトによっては、ページ数が多くで目的のページを探すのが大変……という事もあるでしょう。
そんな時には、フィルタを使って絞り込みましょう。
グラフの左上にある「フィルタを追加」を選択。
フィルタの作成ウィンドウが表示されます。
ディメンションを選択するプルダウンから“ページパスとスクリーンクラス”を選択します。
下にディメンションの値の設定が表示されます。
確認したいページにチェックを入れましょう。右下の「OK」で確定します。
「適用」ボタンで、設定したフィルタを適用します。
選択したページの情報だけが表示されました。
GoogleAnalytics 4単体では、CTAボタンのような内部リンクのCTRを詳細に調べることは出来ません。
細かい計測はGoogle Tag Manager(GTM)と組み合わせて設定することが多いです。
しかし、大まかに「訪問ユーザーのどのくらいが、コンバージョン獲得を目的としたページを開いたか」は確認できます。
Google Analytics 4からできた機能「イベント」の使い方も兼ねて、やってみましょう。
Google Analyticsの左下、歯車のアイコン(管理)を選択します。
プロパティでCTA分析を行いたいサイトをが選択されているか、確認してください。
プロパティ下に表示されている項目から「イベント」を選択します。
「イベントを作成」を選択します。
カスタムイベントの一覧画面が表示されます。
「作成」ボタンを選択。
カスタムイベントの作成画面が開きます。
カスタムイベント名は、お好きに分かりやすい名称を入力してください。
一致する条件、という部分で、どういった時に計測して欲しいのかを設定していきます。
パラメーターでは、予め作成されているイベントパラメータ名の入力が必要です。
今回はGoogleAnalyticsが用意してくれているパラメータを使って、条件を2つ登録します。
条件1 | event_name 等しい page_view |
---|---|
条件2 |
page_location 含む 計測ページURL(CTAのリンク先URL) 例)https://hubfolio.biz/contact/ ※page_location:計測したいページのURL |
意訳としては「“page_location( https://hubfolio.biz/contact/ )”を閲覧した数を取得してください」という感じです。
条件の設定が出来たら、右上の「作成」ボタンでイベントを作成します。
パラメーターについては、公式のヘルプページをご確認ください。
イベントの計測結果が反映されるまで、1日(24時間)程度かかります。
また、イベント一覧に表示されるには、イベントが1回以上発生している必要があります。
ですので、条件で設定した動きを自分でやってみましょう。
page_referrerの値にしたページから、CTAをクリックしておきます。
そして、データが反映されるまで、1日程度待ちましょう。
時間を置くと、リアルタイムやエンゲージメントなどに、設定したイベントが反映されます。
上図の場合は、page_view=サイトを訪問したユーザーは3人です。
そしてCTAのリンク先を見た(イベント:CTAクリック)のユーザーは2人。
2 ÷ 3 × 100 ≒ 66% のユーザーが、見て欲しいページにたどり着いた、という計算ができます。
サイト分析は「Google Analytics」などのサイト分析・アクセス解析ツールを使用して行います。
そして、改善を重ねて1番効果の高いCTAのデザインや設置場所を見極め、コンバージョン率を向上させていきましょう!
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