Cloud9でRuby on Railsの開発環境を構築する【Ruby on Rails7開発の準備】

Cloud9を使って、Railsアプリケーションをサーバーで確認する流れを解説します。
AWSアカウントがない方は、先に下記の記事をご確認下さい。

Ruby on Rails7を動かすためには、Rubyのバージョンやデータベースなどの条件を整えてあげる必要があります。Cloud9の設定や、Ruby on Railsをインストールするための準備を一緒に行っていきましょう。

1.AWSにログインし、Cloud9を起動する

IAMユーザーとしてログインした状態で、Cloud9を開きます。
検索バーにCloud9と入力すると探しやすいです。

environmentの設定

create environmentをクリックしてください。
environment(アプリ制作を行う作業場所)の設定を行います。

  • Name:作業場所の名前 - 制作フォルダの名前と考えてOKです。
  • Description:作業内容についての説明

この2つを入力し、Next stepをクリック。

Environment settings画面が開きます。
デフォルトのまま、どこも変更せずに進めて大丈夫です。

Next stepをクリック。

入力内容の確認画面が表示されます。
ページ下部にあるCreate environmentボタンをクリックしてください。

下図のような画面になり、少し待つとワークスペースが立ち上がります。

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2.Ruby on Rails7に必要な準備を確認

Ruby on Railsのガイドには、Railsを動かすために必要な条件が書かれています。
https://railsguides.jp/getting_started.html

  • Rubyバージョン2.7.0以降
  • データベース(SQLite3)
  • Node.jsバージョン8.16.0以降
  • Yarnのインストール

ガイドではそれぞれ、確認用のコマンドが用意されています。
コピー&ペーストして確認し、必要なソフトウェアがあればインストールしていきましょう。

Rubyの設定を行う

Rubyのバージョンを確認してみましょう。
ここからは、ターミナルにコマンドを打ち込んで、確認・操作していきます。

バージョン確認のコマンドを貼り付け、Enterキー(もしくはReturnキー)でコマンドを実行してください。

ruby -v


ruby 2.6.3である、と返ってきました。
古いので、新しいバージョンに更新しましょう。

Rubyのバージョンアップ

Rubyを更新するために、まずRVM (Ruby Version Manager) というツールを更新します。
以下のコマンドを入力してください。

rvm get stable


「RVM reloaded!」と表示されたら完了です。

次に、Rubyの新しいバージョンをインストールします。

rvm install ruby

少し時間がかかるので、待ちましょう。

  ↓
「Install of ruby-3.0.0 - #complete 」と表示されたら成功しています。

もう一度、ruby -v を使ってバージョン確認をしても良いでしょう。

デフォルトのRuby設定

デフォルトで、更新したバージョンのRubyを使用するよう設定します。

rvm --default use 3.0.0

ターミナルを再起動して、デフォルト設定が効いているか確認します。
以下の手順で確認してみて下さい。

1.今使っているターミナルを閉じる
2.新しいターミナルを開く
3.ruby -v でバージョンを確認


設定したバージョンが表示されたら、Rubyの設定は完了です。

データベースの用意(※MariaDB)

次にデータベースの設定です。
確認すると、sqlite3のバージョンが出てきます。が、実はこのバージョンだとRails7を動かすには古く、そのまま使用しようとするとrails実行時にエラーが起きてしまいます

ですので、今回はCloud9にデフォルトで入っているMariaDBを使用する形で進めます。

MariaDBインストール

以下のコマンドを入力して、MariaDBをインストールしてください。
※PlatformでAmazon linuxを選択していない場合、エラーになります。

sudo yum install -y mariadb-devel mariadb-server

こちらも少し時間がかかります。
「Complete!」と表示されるまで待ちましょう。

  ↓

MariaDBが動作するか確認しましょう。
以下のコマンドを入力し、MariaDBを起動させます。

sudo systemctl start mariadb

特に何も表示されなければ、起動に成功しています。
MariaDBの状態を確認するため、以下のコマンドを入力してください。

sudo systemctl status mariadb


上のアニメーションのように、Activeの項目を探してみて下さい。
Active: active (running) since ....と表示されていれば、正常に起動されています。

MariaDBの設定を行う

Cloud9はブラウザを閉じて一定時間経つと、サーバーが自動で停止します(デフォルト設定の場合は30分)。先程 sudo systemctl start mariadb で起動したMariaDBも、サーバーが停止すると停止してしまいます。

このままだと、Cloud9を開くたびにMariaDB起動のコマンド入力が必要です。面倒ですよね。
Cloud9を開いた時に、MariaDBも自動起動するように設定しておきましょう。

MariaDBの自動起動を有効化します。
以下のコマンドを入力してください。

sudo systemctl enable mariadb

Created symlink from ~ という表示がされたら有効化できています。

念のために、有効かどうかの確認もしてみましょう。

sudo systemctl is-enabled mariadb


enabledと表示されたら、自動起動の設定が有効化されています。

Node.js

Node.jsは、Cloud9にインストールされているバージョンで問題ありません。
特に何もしなくてOKです。

Yarnのインストール

Railsガイドに書かれている項目の最後、Yarnのバージョンを確認します。
バージョン確認のコマンドを入力すると、not foundと表示されるはずです。

yarn --version


Cloud9には、初期状態でYarnがインストールされていません。

以下のコマンドを入力して、Yarnをインストールしてください。

npm install --global yarn

Yarnがインストールされたか確認してみましょう。

yarn -v


上図のようにバージョンを示す数字が表示されれば、Yarnのインストールができています。
これでセットアップは完了です!

3.Ruby on Railsのインストール

いよいよ、Ruby on Railsのインストールです。
こちらもRailsガイドにあるコマンドを、そのまま貼り付ければOK。

gem install rails

コマンドを実行すると、これまでの比ではないくらい、ずらーっとターミナルに今実行中の処理が表示されはじめます。Cloud9へRailsのたくさんの機能がインストールされているという証なので、終わるまで待ちましょう。

上図のように表示されたら、Railsのインストールは完了です。

バージョンを確認してみましょう。

rails -v


Rails 7.☓.☓.☓のようにバージョンが表示されたら、成功です。

4.Railsアプリケーションを作成する

Ruby on Railsの動作確認、次のRailsサーバーの起動のために、アプリケーションを新規作成してみましょう。
Ruby on Railsでアプリケーションの新規作成は、以下のコマンドで行います。

rails new 作成するアプリケーション名 -d 使用するデータベース

今回はRailsガイドと同じく、アプリケーション名を「blog」で試してみましょう。

rails new blog -d mysql


再び、ずらーっとターミナルに今実行中の処理が表示されます。

アプリケーションの作成が完了すると、下図のようにユーザー名:~/environment $と、コマンドが入力できる状態になります。
そして、左側のディレクトリ一覧(ファイルナビゲータ)には、新規作成したアプリケーション名のフォルダが表示されています。

ここから、新しく作ったアプリ“blog”を作っていったり、サーバーを立ち上げて動作確認をしたりしていきます。ただし、アプリ“blog”に対しての操作はblogのフォルダに入ってからでないと実行できません。

通常、例えば自分のパソコンでhtmlファイルや画像などを確認したいときは、フォルダをクリックして開く(中身を見る)という動作を行います。
しかし、ターミナルではクリックは使えません。

このため、ターミナル上から、どこかのフォルダを操作したい・指示を出したいという場合は、コマンドを使ってそのフォルダまで移動します。
フォルダ移動にはcdというコマンドを使います。

例えば、先程作ったblogファルダに移動する場合は、以下のコマンドを入力します。

cd blog

実行すると、ユーザー名:~/environment $から、
ユーザー名:~/environment/blog (main) $ に表示が変わります。

この、ユーザー名の後から $ までの間に表示されている部分を「カレントディレクトリ」といいます。自分が今選択して作業しているディレクトリがどこか、カレントディレクトリを見ればわかりますね。

データベースを作成

blogアプリに移動ができたら、以下のコマンドを入力してください。
データベースを新規作成します。

rails db:create

これでRailsの導入と初期設定は完了です。
次はRailsアプリケーションサーバーを起動してみましょう。

5.Cloud9でRailsサーバーを起動させる

ここまでで作ったRailsアプリケーション“blog”ができているか、Webサーバーを起動して確認してみましょう。

Railsサーバーの起動を試す

Railsサーバの起動には、以下のコマンドを使います。

rails s

早速、実行してみましょう。
動いてはいますが、Blocked hostというエラーが出てしまいますね。

上部メニューPreviewから、Preview Running Applicationを開いて下さい。

下図のように、新しいタブが開き、エラーメッセージが表示されます。
Cloud9の場合、プレビューの確認は外からアクセスしないといけません。そのために、アクセスしたいホスト名を登録せよ、というような内容です。

Cloud9でRailsサーバーにアクセスできるようにする

左のファイルナビゲータから、blog/config/environments/development.rbを開きます。クリックすると編集できるので、表示されたコードを貼り付けましょう。

development.rbを上書き保存してください。
一旦、Railsサーバーを停止します。
サーナーの停止は、以下のショートカットキーで行います。

  • Windowsの場合:Ctrl +C
  • Macの場合:control +C

以下のような表示がされたら、停止完了です。

もう一度、サーバーを起動させて下さい。

rails s

アプリケーションプレビュータブをリロード(Refresh)します。

表示がファイルアイコンのようなものに変わります。
右上にある矢印アイコン、Pop Out Into New Window (新しいウィンドウで開く)をクリックしてください。

新しいタブが開き、Railsのデフォルト情報ページが表示されます。

サーバー起動ができました!
Cloud9のタブに戻って、サーバーを静止させて下さい。

  • Windowsの場合:Ctrl +C
  • Macの場合:control +C

お疲れ様でした。

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