
良質なコンテンツを作成するためには、それが「誰にとって良質なのか」を考える必要があります。与えられたジャンルで好きに記事を書くのではなく、それを読むユーザー像を想像してみましょう。
良質なコンテンツとは
前回のレッスンで「Content is King」という言葉が登場しました。 ユーザー、検索エンジンの両方に評価されるためには「良質なコンテンツ」を作成することが最も大切であるという意味です。 Webライティングも良質なコンテンツ(記事)を作る必要があるわけですね。
では、良質なコンテンツとは何かを考えてみましょう。 それは、ユーザーにとって価値のある情報ではないでしょうか。 ユーザーが、知ったことで喜びや満足感を覚える・誰かに話したくなるような情報であれば、ユーザーにとって価値が高い=良質なコンテンツといえるはずです。
価値があるコンテンツはユーザーごとに違う
良質なコンテンツ=ユーザーにとって価値のあるコンテンツを目指すとしましょう。 しかし、価値があり求められるコンテンツというのはユーザーによって全く違います。
例えば、Cさんは株価ニュースを見ようとも思ませんよね。 世界中には様々な人がいます。 全ての人にウケるコンテンツを作るというのは現実的ではありません。
ですので、良質なコンテンツを作成しようと思ったら「誰(どんな人)」を対象にするのかを決める必要があります。こうした人達を潜在層ユーザーと呼びます。
潜在層ユーザーの人物像や求めているものを明確にすることで、最適なコンテンツの形式や内容も定まっていきます。
ペルソナの作成(確認)
Webサイト、もしくは記事などのコンテンツ作成前に、ターゲットを絞り込みましょう。 「誰(どんな人)」を対象にするかを決める具体的な方法として、ペルソナという手法があります。
ペルソナとは、架空のユーザー像のことです。 実在する人間のように、詳細にプロフィールを設定します。 実在のユーザーの情報を元に作成することもあります。
「30代で〇〇に興味のある女性に向けた記事を書いて下さい」よりも、「このペルソナに向けた〇〇系の記事を書いて下さい」と言われたほうが、ネタ探し・アイディア出しはしやすいはずです。 そのために使う、具体的なユーザー例がペルソナなのです。
自身のコンテンツや新規立ち上げの際は、まずペルソナを作成しましょう。 既存のメディア等の依頼を受けるときはクライアントにペルソナを確認する、無い場合は伝えられるターゲットから自分でペルソナを考えると良いでしょう。
ペルソナシートを作ろう
ペルソナは頭で想像するのだけではなく、いつでも、他の人も確認できるように形にしておきます。GoogleスプレッドシートやIllustratorなどのツールを使って作成するのがオススメです。
ペルソナは、イメージをしやすいよう、実際のユーザーに近い人物の写真を使用したり、名前や年齢など具体的に作成します。人物設定は具体的で細かいほど良いです。 他人に見せた時、もしくは数週間~数か月後の自分が見た時に、作成時に想定した人物像とほぼ誤差が無い人物を想像できるかを考えてみましょう。
ペルソナの例
最低限決めておきたい内容
- 名前
- 年齢
- 写真
- そのジャンルに興味を持っている理由
- ストーリー
ペルソナ作成のヒント
自分でペルソナを作る場合は、上の例のようにストーリーなどはメモ書きでも良いです。 とりあえず思いついた項目を書き出して、あとから整理したほうが詰まりにくいです。
イチから想定するのが難しい場合は、具体的に思い浮かんだ知人などをベースにペルソナ化しても良いでしょう。
ペルソナを元に仮説と解決策を考える
ペルソナ像が出来た後は、ペルソナを踏まえてユーザーが抱えている悩みや興味のある情報の仮説を立ててみましょう。
Web制作・学習系のコンテンツを作ると想定して、上のペルソナで考えてみましょう。
仮説
ペルソナは派遣社員という雇用形態に不安があり、職場にもストレスがあります。 それで「Webデザイナーっていいなぁ」と考えていますが、独学ではなかなか先に進めていません。
この方が困っていること(プロブレム)の仮説を立ててみましょう。
- Webデザインの勉強が進まない
- Webデザイナーになるために何を習得すべきか漠然としている
- HTMLやCSSが独学では難しい
- Progateなどパーツ的な学習を、ページ丸ごとのコーディングに発展させられない
問題は上記のような感じでしょうか。 ここから「Webデザイナーに興味があるが、何が出来ればよいのか分からずモチベーションが下がりがち。HTMLやCSSは辞書的な解説だけでは習得が難しい」という仮説を立てます。
主要なプロブレムもペルソナシートに書いておくと、後々見直しやすいです。
解決策
次に、ペルソナとって価値のある情報を考えていきます。 上記の仮説で仮説で挙げた問題に対する、提案や解決策ですね。 例を挙げると以下のようになります。
- Webデザイナーのマストスキル一覧
- 基本的なHTML,CSSを図解や動画でわかりやすく教える
- 困った時に調べられるHTML,CSSリファレンスサイト紹介
- Webデザイナーが使うツール紹介
- Webデザイナーの仕事紹介
こうして考えた解説策をそのまま、もしくは更にパーツ化したものが、これから作成するコンテンツの“ネタ”になっていきます。
次回はネタ出しをしていきましょう。
実習
ここからは、用意されたペルソナを元に企画をしてみましょう。 なお、実習の提出は必要ありません。レッスンの復習としてやってみて下さい。
ペルソナの情報を元に、プロブレムの仮説・その解決法を考えて下さい。 作成するコンテンツのジャンルはWebデザイン・Web制作のノウハウ系とします。
「ストーリー」で結構固めていますので、仮説はレッスンとほぼ同じでも構いません。 解決法は、上記で例に挙げた内容以外も考えてみて下さい。
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まとめ
何を良質なコンテンツ=価値のある情報と判断するかは人によって異なります。
具体的なコンテンツ/記事の作成を行う前に、まず、 「誰の」「どのような問題に」対して役立つコンテンツにするかを考えましょう。 そうすれば自ずと書くべき内容も、コンテンツ構成も見えてくるでしょう。