マルチサイト化したWordPressの変更点 | SkillhubAI(スキルハブエーアイ)

マルチサイト化したWordPressの変更点

前回の作業でWordPressのマルチサイト化を行いました。 記事の投稿など基本的な操作は同じですが、管理画面で行える操作が制限される箇所もあります。

マルチサイト化したことで操作方法が変わった箇所を3つご紹介します。

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0.各ダッシュボードについて

WordPress管理画面、上部にある管理バーの「参加サイト」の部分にカーソルを合わせてみて下さい。サイトネットワーク管理、マイ・ポートフォリオ、ショップページ、3つの項目が表示されるようになっています。

それぞれの項目にカーソルを合わせると、更にメニューが表示されます。

サイトネットワーク管理

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各サイト部分

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表示されるメニューリストにも違いがありますね。

また、ダッシュボードなど同じ名称がありますが、これらはそれぞれ独立しています。 こうした違いは、サイトネットワーク管理と各サイトが持つ役割が違うためです。

 

サイトネットワーク管理で行うこと

サイトネットワーク管理のページは、同じWordPressで作成している全サイトに関わる設定を行います。

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上図1番目のサイト追加とは、前回行ったショップ用のサイトを作った部分です。 同じ方法で更に別のサイト作成し複数のサイトやブログを動かすことが出来ます。

ユーザーの追加・テーマとプラグインの追加は、この項目の下で詳しく紹介します。

 

各サイトで行うこと

各サイトのダッシュボード(管理画面)から行えることは、概ねこれまでのWordPress管理画面で行ってきたことと同じです。記事や固定ページを作成したり、それに該当するカテゴリー/タグを登録したり、というコンテンツの作成ですね。

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ただし、これまで行っていたように、各サイトの管理画面からテーマやプラグインを新たに追加することは出来ません。 プラグインはサイトネットワーク管理でインストールしたものを有効化するかどうか(サイトで使用するかしないか)、テーマの場合はどれを適用するかのみを決めることが出来ます。

 

1.ユーザー権限(特権管理者)

これまでWordPressで作業を行う時には、WordPressをインストールしたときに入力したユーザー名とパスワードでログインされていたと思います。 解説で使っているサイトの場合は「admin」というユーザーですね。

 

インストール時に設定したユーザーは、自動的に「管理者」という権限が付与されます。 管理者権限はWordPressサイト上の全ての機能を設定できる、というものです。

マルチサイト化する前のユーザー一覧では下記のような表示になっています。

マルチサイト化前

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今回のようにマルチサイト化を行うと「管理者」よりも更に上位になる、「特権管理者」という権限が登場します。

WordPress管理バーから、サイトネットワーク管理 > ユーザーを開いてください。

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ユーザー名の横に「特権管理者」という記載が増えていますよね。 右端に表示されている「サイト」は、そのユーザーが管理者権限を持っているサイトです。

 

それぞれの権限がどういったものか、詳しくはWordPress Codex - ユーザーの種類と権限で説明されています。簡単な概要を引用します。

権限グループの概要 * 特権管理者 - サイトネットワーク管理機能や他のすべての機能へアクセスできるユーザー。 * 管理者 - シングルサイト内のすべての管理機能にアクセスできるユーザー * 編集者 - 他のユーザーの投稿を含むすべての投稿を発行、管理できるユーザー * 投稿者 - 自身の投稿を発行、管理できるユーザー * 寄稿者 - 自身の投稿を編集、管理できるが、発行はできないユーザー * 購読者 - プロファイル管理のみを実行できるユーザー

マルチサイト化した場合ですと 管理者→管理者になっているサイト内の管理機能を使用できる 特権管理者→すべてのサイトに関わるサイトネットワーク管理機能を使用できる

という区分ですね。 管理者権限しかないユーザーはサイトネットワーク管理で行う下記の設定は行えません。

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次の項目で紹介するテーマやプラグインも、特権管理者がサイトネットワーク管理画面で設定した範囲内でのみ設定・変更が行える形となっています。

 

もしも特権管理者の権限を持つユーザーを増やしたい場合は、 特権管理者がサイトネットワーク管理からユーザーの新規追加、もしくは該当ユーザーの画面を開いて特権管理者の権限を設定します。

新規追加する場合の流れ↓ file

 

参加サイトのユーザー追加

参加サイト(今回の場合はポートフォリオ、ショップ)の管理画面からも、ユーザーの新規追加を行うことはできます。参加サイトからユーザーの新規追加を行った場合、与えられる権限はそのサイト内の設定のみを行える「管理者」が上限です。

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今回の作成は全ての権限を持っているユーザー(当解説の場合はadmin)で行います。

 

今回は一人で作業をしていくので、権限全てを今すぐに覚える必要はありません。 が、使用する可能性が高い機能なので把握しておきましょう。

ユーザー権限の設定は複数人で運営するサイトの制作、企業のクライアントワークで使います。店員さんがショップブログを書く、ネットショップ担当者にショップの商品追加を任せたいなどの場合は必須項目になりますね。

 

2.プラグインのインストールと削除

プラグインのインストール・削除は「 特権管理者」の権限を持つユーザーが、サイトネットワーク管理画面からのみ行うことが出来ます。

サイトネットワーク管理画面からプラグイン>新規追加を選んで下さい。

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見慣れたプラグインの追加画面が表示されますね。

 

では、次に管理バーからマイ・ポートフォリオのダッシュボードに移動してください。

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左メニュー、プラグインのところにカーソルを合わせてみましょう。 今まではカーソルを重ねると更にメニューが表示されていましたが、何も出てきません。 プラグインの文字をクリックしてください。

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下図のように、今までのWordPressサイト(シングルサイト)で「インストール済プラグイン」をクリックすることで表示されていたようなページが表示されます。

各サイトの管理画面から操作が出来るのは プラグインの有効化・無効化の切り替えのみとなっています。

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前回マルチサイト化の実行で、プラグインを全て無効化しました。 ポートフォリオサイトの方では、お問い合わせフォームやパンくずリストなどプラグイン出力箇所があります。元通りに表示されるよう元々使用していたプラグインを全て「有効化」状態に直しておきましょう。

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3.テーマの追加と削除

テーマにも上のプラグインと同じく、サイトネットワーク管理画面からのみ追加と削除が行えるように変更されています。

管理バーからサイトネットワーク管理のダッシュボードを開いてください。 file

 

今までテーマは左メニューの「外観」からテーマ選択画面を開いていました。

いままでの表示

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しかし、サイトネットワーク管理画面では「外観」がありません。 かわりに「テーマ」という項目が表示されます。 テーマのところにカーソルを重ねてみて下さい。

サイトネットワーク管理画面

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  • インストールされているテーマ
  • 新規追加
  • テーマエディター

の3項目が更に表示されます。

 

インストールされているテーマは、インストール済テーマの有効/無効を決めることが出来ます。ここで無効にすると各サイトで選択が出来なくなります。

テーマエディターはテーマファイルを直接WordPressの画面で変更できるエディター機能。

新規追加はWordPressに登録されているテーマを選んでインストールしたり、自作したテーマをFTPソフト等を使わずに直接アップロードするのに使います。 プラグインの新規追加画面と同じような形ですね。

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※エディターでファイルを編集→FTPソフトでアップロードする場合、新規追加と テーマエディターの2つは基本的に使いません。

 

インストールされているテーマ

この講座内で使用するのは、テーマ項目の一番上に表示されるインストールされているテーマです。このページではインストールしたテーマを各サイトで使用しても良いかの決定、不要なテーマの削除を行うことが出来ます。

解説用のWordPressでは「Twenty Nineteen」というデフォルトテーマがインストールされていますが、有効化されていない状態です。

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マルチサイト化以前に使用していた、ポートフォリオ用のテーマは有効化されています。

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この状態で参加サイト > マイ・ポートフォリオのダッシュボードを開いてください。

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左メニューの外観から、テーマをクリックします。 「マイ・ポートフォリオ」サイトで使用できるテーマの一覧が表示されます。

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表示されているテーマは2つ(初期設定により差はあります)。 インストールはされているものの、サイトネットワーク管理画面で有効化されていなかった「Twenty Nineteen」は選択肢に登場していません。

サイトネットワークで有効化するという、2段階の設定が必要な事がわかります。

 

このため、各サイトで使用したいテーマがある場合は、

2.1.wp-content\themesにテーマディレクトリをアップロードする 2.サイトネットワーク管理の「インストールされているテーマ」画面で有効化 3.使用するサイトの管理画面 > 外観 > テーマから「有効化」をクリック

という順番で設定していくことになります。

 

まとめ

各管理画面で行えるユーザー/プラグイン/テーマの設定は下図の通りです。

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注意して頂きたいのは、 プラグイン画面の「サイトネットワークで有効化」 テーマ画面の「サイトネットワークで有効化」 は同じ文言でも意味が違うという点です。

プラグインは「サイトネットワークで有効化」すると、参加サイト全てで有効化された状態になります。例えば、ショップサイトではBreadcrumb NavXTを使用しない場合でも、下記のように設定されているとショップサイトの管理画面から無効化することが出来ません。

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反対に、テーマの場合は 3.テーマの追加と削除 で確認したように、 サイトネットワーク管理画面で「サイトネットワークで有効化」に設定していないと、参加サイト側には表示されません。使う可能性のあるテーマはサイトネットワーク管理画面で有効化しておく必要があります。