Webライティングと見直し時に、注意するべき10のポイント
突然ですが、Webライティングと聞いて何を思いますか?
Web制作やWebマーケティングについて調べるほど、SEOやキーワード密度、見出し設定など、技術的なところに目を向けがちです。
しかし、ほんとうに大事なのはユーザーに「読み進めたい」と思ってもらうこと。これはWebライティングも、紙面等のライティングでも変わりません。
今回ご紹介するポイントを抑えて、ベースの文章をしっかり作った上で、SEO対策等を行っていきましょう。
Webライティングのポイント
Webユーザーが読みやすいと感じる文章を作成するために、以下10のポイントに気をつける必要があります。
- 1.「てにをは」を正しく使う
- 2.読点を正しく使う
- 3.ねじれ・ゆれをなくす
- 4.重複表現(二重表現)を使用しない
- 5.同じ語尾の連続を避ける
- 6.接続詞は正しく「適度に」
- 7.文章や段落は短かくする
- 8.冗長な表現を避ける
- 9.〜らしい、〜と言われています、は多用しない
- 10.主語を省略しない
これらの項目を、日本語の文法として注意したいポイント、Webライティング特有の注意ポイントの2つに分けて詳しく見ていきましょう。
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日本語文法で注意したいポイント
1.「てにをは」を正しく使う
「てにをは」は助詞の総称として使われています。
文章にあるニュアンスを表したり、他の言葉と関係を持たせる働きがある言葉です。
明らかに使い方がおかしい、意味が通じないのはNG。
意味が通じても、助詞によってニュアンスが変わることもあります。
【例】
①私にWebデザイナーです
②私はWebデザイナーです
③私がWebデザイナーです
①は明らかに助詞の選択ミス。意味が通じませんね。
②は自分の職業を紹介しています。
③も職業を示していますが、Webデザイナーではない人がいる・人間違いをされて訂正しているなどのニュアンスを感じさせます。
2.読点を正しく使う
読点とは、文中の切れ目に打つ記号「、」の事。
読点の位置を間違えると、文の意味が通じにくくなるため注意が必要です。
NG
私は2年前に未経験から、Webデザインの勉強をはじめました。学習スタートから3ヶ月で、初仕事を獲得して半年前に、フリーランスのWebデザイナーとして独立しました。
OK
私は2年前に、未経験からWebデザインの勉強をはじめました。学習スタートから3ヶ月で初仕事を獲得して、半年前にフリーランスのWebデザイナーとして独立しました。
流し読みをする、と考えてみて下さい。
NG例の文は、おかしなところに読点が入っているので「半年前に初仕事を獲得したの?」と読み違いを起こす可能性がありそうですよね。
注意して読めば意味はわかるのでしょうが、注意しなくても意味がわかる・把握できるように書くのがライティングです。的確な位置に読点は打ちましょう。
3.ねじれ・ゆれをなくす
文章のねじれ
文章のねじれ、は文章が不自然になっている状態を指します。
- 一つの文章の中で「主語」と「述語」が噛み合わない
- 文章全体での「論点」と「結論」が噛み合わない
このうち、主語と述語のねじれは、文章の中から主語と述語のみを取り出したときに文章が成立しない状況をさします。
NG:主語と述語のねじれがある
私の目標は、3ヶ月でWebデザイナーになりたいです。
上の例文から主語・述語だけを取り出すと、「(私の)目標は/なりたいです」。
文章として成り立ちませんね。
OK:主語と述語が噛み合う
私の目標は、3ヶ月でWebデザイナーになることです。
OK例では主語と述語のみでも「目標は/なることです」と、文章として成立します。
表記のゆれ
NG
未経験からWEBデザインの勉強をはじめ、活躍している方は大勢いらっしゃいます。Webデザイナーになるためには、広い範囲でウェブに関する知識とデザイン...このような、同じ言葉でも表記が違うことを“表記のゆれ”と表現します。
記事内では表記を統一したほうが、読者に違和感を与えません。
4.重複表現(二重表現)を使用しない
重複表現とは、同じ内容を繰り返すことです。
【重複表現の例】
- 一番最初 / 一番最後
- 頭痛が痛い
- 不快感を感じる
- あらかじめ予定する
5.同じ語尾の連続を避ける
同じ語尾が何度も続くと、文章のリズムが悪くなり、違和感が残ります。
下記の例文を見て下さい。
NG:語尾がずっと一緒
私は派遣社員をしています。半年前からWebデザインについて勉強しています。今年中にはWebデザイナーとして仕事を取りたいと思っています。そのために、一日二時間勉強をしています。
違和感がありますよね。
英文を翻訳ソフトにかけたような、小さい子どもが書いた文章のような、辿々しく稚拙な文章に感じるのではないでしょうか。
語尾で同じ音が続かないように、少し変えてみましょう。
語尾を重ねないだけで、辿々しい印象はかなり薄れます。
OK:語尾が変わる
私は派遣社員をしています。半年前からWebデザインについての勉強をはじめました。今年中にはWebデザイナーとして仕事を取りたいと思っています。そのために、一日二時間勉強をしています。
6.接続詞は正しく「適度に」
接続詞は文章と文章をつなげる働きを持つ持つ言葉です。
【代表的な接続詞】
- そして
- および
- しかし
- けれども
- そのため
- 要するに
- 例えば
接続詞を使用することで、前後の文章の脈絡・関係性がわかります。
しかし、選択を間違えると、文節、文章の関係がわからなくなる・ユーザーに違和感を与えてしまう可能性もあります。
NG
cssではhtmlのタグで囲んだ範囲の、文字の色・大きさ・背景の色などの「装飾」や「配置」について指定することが出来ます。このため、cssとはhtmlの見栄えを整えるためのものということになります。
OK
cssではhtmlのタグで囲んだ範囲の、文字の色・大きさ・背景の色などの「装飾」や「配置」について指定することが出来ます。つまり、cssとはhtmlの見栄えを整えるためのものということになります。
「つまり」は前の事柄を言い換える目的で利用します。
OKの方の文章は、同じような内容を言葉を変えて表現しているので、違和感はありません。
NGの方の文章で使われている「このため」は、前の文章が理由・そのため以後の文が結果や結論を示す接続詞です。上記の文章では「このため」以後は結論とも捉えられますが、言っていることはほぼ同じですので、なんとなく文章に違和感があるわけです。
また、接続詞には、使いすぎると文章が仰々しく、読みにくくなるデメリットもあります。
接続詞で繋げることで、文章はどこまでも長く伸びてしまいます。
無くても意味が通じる箇所には接続詞を使用せず、区切れるところでは文を切りましょう。
NG
さて、では今回はcssについて学びましょう。
cssでは、htmlタグで囲んだ範囲の、文字の色・大きさを設定することができ、さらに背景色や背景画像の指定もできますし、タグで囲った各パーツの配置も、cssで指定することができます。つまり、htmlの見栄えを整えるためにはhtmlとcssの併用が必要になるのです。
OK
今回はcssについて学びましょう。
cssでは、htmlタグで囲んだ範囲の、文字の色・大きさを設定することができます。背景色や背景画像、タグで囲った各パーツの配置も、cssで指定します。つまり、htmlの見栄えを整えるためにはhtmlとcssの併用が必要になるのです。
ワンセンテンス/ワンアイデア=ひとつの文にはひとつの考えだけ書くと、文章が伸びにくく分かりやすいです。
スッキリとした文章を心がけて執筆して下さい。
WEBライティング特有のポイント
ここからはWebライティング特有の考え方、Webライティングで特に注意したいポイントです。
7.文章や段落は短かくする
Web記事の場合、あまりにも長すぎる文章はNGです。
早く、簡単に、答えを知りたいWebユーザーは文字がぎっしり詰まっていると読む気をなくしてしまいます。
一文は短くシンプルに書きましょう。
ワンセンテンス/ワンアイデア(ひとつの文にはひとつの考えだけ書く)ことを意識してください。そうすると、主述のねじれも生じにくくなります。
NG
フォルダとは、紙挟みという意味の英単語で、コンピュータの分野では、OSの操作画面上で、複数のファイルやOSの機能などをまとめて格納・分類することができる名前の付いた保管場所を表します。わかりやすく言えば、情報を整理するための「箱」のようなもので、中には複数のファイルや他のフォルダを入れることも出来ます。
OK
フォルダは直訳すると「紙挟み」を意味する英単語です。
コンピュータの分野でのフォルダは、複数のファイルやOSの機能などをまとめて格納・分類することができる名前の付いた保管場所を表します。
わかりやすく言えば、フォルダは情報を整理するための「箱」。
フォルダという箱の中には、ファイルや他のフォルダを入れることが出来ます。
改行しすぎはNG
Webの文章では、句読点ごとに改行を入れる・複数行の改行を噛ませたものもあります。かつては細かく改行で区切た文が多かったものの、現在のWebライティングではあまり使いません。
ユーザーは、パソコンやスマートフォンなど異なる画面幅のデバイスでページを見ています。ある1つの画面幅では見やすくなるように改行を入れてしまうと、別の画面幅では余計に見にくくなってしまう事もあります。
例えば、下記はパソコン幅ベースで文中改行を入れました。
スマートフォンで見ると、自動改行も入るのでグチャグチャした印象になってしまいます。
複数行の改行、もしくは複数の改段落を使うのも避けましょう。
見出しが変わる場所には情報を区切るためにも余白が必要です。
ですが、同じグループの情報を書いているのに長い改行を入れてもスクロールの手間がかかるだけです。
上図、右の書き方で数千文字の文章を読むのは、相当大変なのではないでしょうか。スクロール量もかなり多くなります。
空の行が多いと、情報の区切りもわかりにくいですよね。
見たい情報まで読み飛ばしているユーザーは、目的地を見つけにくくなってしまいます。
個人のブログで、少ない文字数のカサ増し・雰囲気重視で書く場合は好きに書いて構いません。しかし、ユーザーの役に立って欲しい内容を記事として納品・公開する場合は、デメリットの多い書き方は止めましょう。
8.冗長な表現を避ける
冗長な表現とは「必要以上に物事が多く無駄な表現、無駄に長い表現」を指します。
通常のライティングでも褒められたことではありませんが、読み飛ばしているユーザーの多いWebライティングでは避けるべきことの代表格ともなっています。
1文、1段落を短かめに保つためにも、長い表現になるような書き方は避けましょう。
二重否定を避ける
文章が長く、わかりにくくなってしまう原因の1つに二重否定があります。
会話だとオブラートに包んだ二重否定表現が多用されますが、Web文章で二重否定を連発すると読みにくいです。ぱっと見て判断できる、シンプルな書き方を中心に考えましょう。
二重否定
- Photoshopを使わなくても出来なくはありません。
- 無計画にスタートして起業に失敗する人は少なくありません。
シンプルに書いた場合
- Photoshopを使わなくても出来ます。
- 無計画にスタートして起業に失敗する人も多くいます。
修飾語句は簡潔に
修飾語は「ほかの文節を、詳しく説明するための文節」です。
ディテールを伝えるためには必要な部分です。
しかし、多用しすぎると、どの文節にかかる修飾かわからなくなってしまいます。
下記の例文で考えてみましょう。
「モノトーンの」という部分は、「クールな印象」「Webサイト」のどちらを装飾しているかわかりにくいですよね。人によって捉え方が違うかもしれません。
Webサイトがモノトーンであることを表現したい場合は「クールな印象で統一された、モノトーンのWebサイト」の方が間違えませんね。このように修飾語と被修飾語は離さず、隣接して使用すると確実です。
また、修飾語は情報を補足する部分です。無くても文章として成立します。
修飾語は連続して使用できるため、詳しくに書こうと頑張って文を長くしてしまいがちです。文を短く簡潔にしたい場合は、修飾語から削れる部分がないか見ていくと良いでしょう。
9.〜らしい、〜と言われています、は多用しない
記事作成時には資料(文献・サイトなど)を見ながら書くこともあります。
このため「~と言われています」「~のようです」のように、断言を避ける言い回しをしたくなります。
しかし、「~と言われています」が多用されていると、記事全体の信憑性が疑われます。情報が曖昧な時に使われる語尾ですので、説得力も弱まってしまいますね。
語尾の大半が「~と言われています」などに曖昧なものにならないよう、注意しましょう。
10.主語を省略しない
主語とは、文の中の主役。
「誰が」「何が」にあたる文節です。
日本語は元々、主語を抜きやすいという性質があります。
特に日常会話では主語無しで話すことが多くあります。紙面の文章でも、前の文章に主語が入っている場合、繰り返しでクドくならないように主語抜きで書くことは珍しくありません。
しかし、Webページの読者は1から10まで文章を読みません。
かいつまんで文章を読むため、主語を省略すると「何についての話か」を見失ってしまいやすい傾向があります。
すべての文に主語をつけるまでは行かなくても、省略しすぎず、要所要所には主語を入れるようにしましょう。
NG
ファイルとは、コンピュータにおけるデータの管理単位の一つです。コンピュータの世界における書類のようなもので、データそのものを指します。中に他のファイルやフォルダを入れることは出来ません。
OK
ファイルとは、コンピュータにおけるデータの管理単位の一つです。コンピュータの世界における書類のようなもので、データそのものを指します。ファイルの中に他のファイルやフォルダを入れることは出来ません。
指示語の使用も避ける
Webライティングでは「これ」「それ」などの指示語もなるべく使わないようにします。主語抜きと同じく、途中から文を読んだユーザーにも「何のことを言っているか」がわかるようにするためです。
レギュレーションで指示語の使用がNGとなっていなければ、多少の指示語を使用しても構いません。特に短いスパンで文章が隣接している場面では、指示語を使っている方が文が短くわかりやすいこともあります。
NG
Webデザイナーには色彩関連の知識も求められます。Webデザイナーに色彩関連の知識が必要な理由は、クライアントが求める雰囲気のサイトを~
OK
Webデザイナーには色彩関連の知識も求められます。その理由は、クライアントが求める雰囲気のサイトを~
まとめ
Webライティングに注意するポイント。10個もあるなんて多い!と思う方もいるかも知れませんが、どれも特殊なスキルが必要なものではありません。
- 正しい日本語を使う
- 短く簡単な文章にする
一字一句漏らさぬよう、文章を読むWebユーザーは少数です。
多くの人は、文学作品のような美しい日本語を楽しみたいわけではなく、目的の情報を得ることが目的です。
そんな方々でも、違和感なく読めて内容がわかること。
最終的にはそこに行き着きますので、わかりやすい文章かを意識して見直してみて下さい。
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