テキストとエフェクトを組み合わせて、タイトルやテロップを作る | SkillhubAI(スキルハブエーアイ)

テキストとエフェクトを組み合わせて、タイトルやテロップを作る

テロップにエフェクトを使う理由とメリット

テロップ用のクリップには、エフェクトも使用します。 エフェクトを適用する目的は、大まかに以下の2つが挙げられるでしょう。

  • 出現などのアニメーションを設定する
  • テキストスタイル・デザインを整える

エフェクトを使うと、アピアランスだけでは出来ない表現ができます。 改行されている文字全体にグラデーションをかける、立体風の表示にする、などが代表的です。

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また、アピアランスで設定できる表現でも、エフェクトを使う場合があります。 エフェクトを利用するメリットは、アニメーションの設定以外にも、以下のような事も挙げられます

  • アピアランスより設定が楽なことがある
  • クリップに一括して設定ができる

エフェクトコントロールで見ると、ソーステキストにキーフレームの設定はありますよね。 しかし、キーフレームを設定しても、キーフレーム間で徐々に変化はしてくれません。

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例えば、以下ように影がゆっくり消えていくアニメーション。 このような“徐々に変化”するアニメーションを付けたい場合は、エフェクトのほうが向いています。

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適用するだけでテキストの雰囲気をUPするエフェクト

以下では、キーフレームの設定をしなくても、テキスト(テロップ)の雰囲気を高めてくれる・リッチな印象にしてくれるエフェクトを5つ紹介します。

エフェクトの効果がわかりやすいように、以下のようなシンプルなクリップで設定してみます。

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1. ドロップシャドウ

最初に、上の例でも使ったドロップシャドウを見ていきましょう。 ドロップシャドウはオブジェクト(シェイプやテキストなど)の影を落としてくれるエフェクトです。

ビデオエフェクト > 遠近 > ドロップシャドウ

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クリップに適用すると、右下方向に薄っすら影が付きます。 エフェクトコントロールを開いて見てみましょう。 アピアランスとは異なり、それぞれのパラメーター毎にキーフレームが設定できる事がわかります。

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設定できるパラメーター自体は、前回見たアピアランスのシャドウと似ていますね。 ドロップシャドウエフェクトで違うのは、以下の3点くらい。

  • シャドウのカラー(色)はベタ塗りのみ設定可能
  • ドロップシャドウエフェクトではサイズの設定が出来ない
  • シャドウのみの表示ができる

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なお、ドロップシャドウのエフェクトは、テキストのアピアランス設定によって影が付く位置が違います。 設定によっては、思ったところに影が付かない場合があるので、注意が必要。

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アピアランスの背景に、ドロップシャドウを付けたいときにも使えそうですね。

2. アルファグロー

ドロップシャドウには、サイズの設定項目がありません。 アピアランスのように、オブジェクトの周囲に色を付けるには使えません。

テキストの外側に光っているような効果をつけるには、アルファグローというエフェクトがよく使われています。

ビデオエフェクト > スタイライズ > アルファグロー

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クリップに適用してみましょう。 ……なんだか、カクカクしていますし、色も汚く見えますね。

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アルファグローはGlowと言うだけに、画像の周囲を光らせたような効果を付与します。 今、下のトラックに敷いているカラーマットは白=明度100%です。

デフォルトの開始色は薄いグレー。更に半透過状態なので、白に重ねると「輝き?」という見た目に。 カラーマット(白)を非表示にし、背景を黒っぽくすると、エフェクトによる発光感がわかります。

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アルファグローのパラメーターは少なめで、シンプル。

グローで設定している数値が大きいほど、グローの広がりが大きくなります。

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大きく設定すると、角に光の筋のような演出が確認できますね。 数値が小さい時にカクカク見えていたのも、この表現があるため。 アピアランスのシャドウでを使って外側を囲うよりも、ギラギラした雰囲気が出ます。

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明度は不透明度を変えることで、設定した色が強く出るか否かを調整しています。 これは、後ろを白もしくは透明グリッド表示にすると確認しやすいです。

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終了色は、グローの外側の色。 設定したい場合は「終了色を使用」にチェックを入れてください。

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3. ベベルアルファ

ベベルを使うと、オブジェクトに立体感や質感を加えることが出来ます。

ビデオエフェクト > 旧バージョン > ベベルアルファ (※ Premiere Proのバージョンによっては遠近に入っていることもあり)

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プレビューの表示倍率によってはわかりにくいかもしれませんが、適用しただけでも立体感が追加されています。

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ベベルでは面取り(角を斜めに切り落とす)をして、出来た面に光と影を設定しています。 パラメーターの“エッジの太さ”が角を落として作る面のサイズ、と考えると分かりやすいです。

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数値を大きくしたほうが立体感が強まりますが、上図のように不自然な部分も出てくるので注意が必要。

ベベルアルファとベベルエッジの違い

エフェクトにはベベルアルファだけではなく、ベベルエッジというものもあります。
この2つは、ベベルを設定する基準が違います。テキストの見た目を整える目的では、ベベルアルファを適用することが多いでしょう。

ベベルアルファとベベルエッジの違い

4. 4色グラデーション

4色グラデーションは、4色のグラデーションを作成・合成できるエフェクト。 テキストに適用する場合、アピアランスからグラデーションを設定するのとの違いは以下の点が挙げられます。

  • 複数行・複数テキストに分かれていても、一貫したグラデーションが適用できる
  • 複雑なグラデーションを作れる(アピアランスは単一方向)
  • キーフレームを打てば、モヤモヤと動かすことも可能

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では、設定を見てみましょう。

ビデオエフェクト > 描画 > 4色グラデーション

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クリップに適用。 これまでよりも、パラメーターの数が多いですね。

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上部の“位置とカラー”は、グラデーションを作るための色と位置の設定です。 エフェクトを選択すると、4つのポイントを示すcancelマークが表示されます。

色、ポイント(cancel)の置き方でグラデーションが変わります。

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“位置とカラー”の下にあるブレンドでは、数値を大きくすると滑らかなグラデーションになります。 機械的にカラー自体を変えるので、くっきりコントラストを付けたい時は初期値のままでOK。

変位はバンディングを抑えるために、ノイズを加えた表示にするかの設定です。 バンディングは色の変わり目が縞のようになること、Gifアニメーションでよくなる状態です。 こちらも縞になっていない場合は、特に設定する必要はありません。

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最下部の不透明度、描画モードはお馴染み。 今回のようにテキストのクリップに適用した場合は、そのままで良いでしょう。

「映像にうっすらグラデーションをかけよう」と、調整レイヤーに4色グラデーションを適用している場合などに使います。

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5. カラー補正系

ビデオエフェクトの中にある、カラー補正グループのエフェクトもテロップ装飾に使えます。

設定がシンプルな“Brightness & Contrast”を使ってみましょう。

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パラメーターは“明るさ”と“コントラスト”の2つと、シンプルです。 明るさの値は高いほど明るく、コントラストの値を上げるとコントラストが強くなります。

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これだけだとエフェクト名の通り、明るさとコントラスの調整。 マスクを使うと、簡易グラデーションのような見た目にもできます。

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1クリップの中にテキストレイヤーが複数ある・文章が改行されて複数行ある場合。 同じフレーム内のアイテム全てに一貫性のある設定をしたい、という時に役立ちます。

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“Brightness & Contrast”と同じく ビデオエフェクト > カラー補正グループにある、カラーバランスエフェクトなどでも同様の設定ができます。

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複数のエフェクト、キーフレームとの組み合わせる

複数のエフェクトを組み合わせたり、キーフレームを打って動かす

エフェクトの順番について

複数のエフェクトを組み合わせていくうえで、注意したいのはエフェクトを適用する順番。 エフェクトは、パネルに表示されている上の段から下に向かって、順に効果が追加されていくと説明されます。

例えば、上で使用したドロップシャドウと4色グラデーションのエフェクト。 1つのクリップに対して両方を適用してみましょう。

どちらを先に設定したかで、ドロップシャドウでできる影の色が変わります。

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エフェクトを複数使う場合には、この順番によって見え方が大きく変わる場合もあります。 思ったような表示にならないときは、エフェクトの適用順を見直してみると良いでしょう。

鏡面反射を作る

以下3つのエフェクトを組み合わせると、鏡面反射のような表示が出来ます。

  • ビデオエフェクト > トランスフォーム > 垂直反転
  • ビデオエフェクト > トランジション > リニアワイプ
  • ビデオエフェクト > ブラー&シャープ > ブラー(ガウス)

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鏡面反射を作る時は、反射部分の表示を作るためにクリップを複製してください。 複製したクリップに上記3つのエフェクトを追加し、調整していきます。

光があたってキラッと光る表現

以下のように、文字の上を光の筋が走っていく表現も、タイトルやテロップ、ロゴなどによく使われています。

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こちらは ビデオエフェクト > 色調補正 > プロセスアンプという、1つのエフェクトのみで実装できます。 エフェクトのマスクと、キーフレームを組み合わせる形です。

ここまで、エフェクト、キーフレーム、エフェクトのマスクの3つを使ってきました。 この3つを組み合わせていくことで、Premiere Proを使用した様々な表現が実装できます。

エフェクトの使い方は発想次第な部分もあるので、You Tubeなどにある解説動画を見るのも良いですね。

実習

題材の講義動画で、各レッスンタイトルのテキストをエフェクトを最低1つ使って装飾してください。 使用するエフェクトはレッスン通りでも、ご自身で別のエフェクトを選んだり組み合わせたりしても構いません。

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必要に応じて、テキストの大きさやフォント・アピアランスなども変更します。

属性をペースト

エフェクトは、属性をペーストで、他のクリップに複製することも可能です。 本レッスンと一緒にテキスト装飾を試された方は、この機能を使ってサクッとコピペしても良いです。

コピーは通常のコピーと同じ方法で出来ます。 属性のペーストはクリップを右クリックして選択、もしくは以下のショートカットキーで行ってください。

  • Windows :Ctrl + Alt + V
  • Mac OS : + Option + V

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属性をペースト、知っていると便利な機能なので試してみてください。