カメラレイヤーの移動、カメラの種類 | SkillhubAI(スキルハブエーアイ)

カメラレイヤーの移動、カメラの種類

カメラレイヤーを使って、カメラの位置、撮影範囲を動かしてみましょう。

カメラのトランスフォーム

見やすい位置にカスタムビューを設定できたら、カメラレイヤーの方を動かしてみます。

file

カメラの移動・回転

カメラ(カメラレイヤー)の動かし方も、基本は3Dレイヤーと同じ。 トランスフォーム内にある各プロパティの数値を変更すると、カメラの位置・カメラで映すコンポジションの範囲を変更することができます。

file

シェイプなどの3Dオブジェクトは、アクティブカメラのビューで選択して移動ができました。 しかし、カメラレイヤーは、選択ツールを使ってカメラビュー上でクリックやドラッグをしても動かせません。

カメラの位置を変えたい時は、カメラを示す□のような部分をクリック。 そこから伸びる3D軸を使って動かします。

file

カメラツール

3Dレイヤーのスイッチを有効にすると、After Effects基本の8ツールの時には選択できなかったツールも選択可能になっています。 この3つは、3Dレイヤーの場合にカメラを動かすことが出来るツールです。

先程、アクティブカメラのビューでは選択ツールでカメラの位置調整が出来ない、と紹介しました。 アクティブカメラのビューで、カメラで映す範囲を動かしたい場合に使うのが、このツール類。

file

これらは、カメラを動かすツールであることから、総称してカメラツールやカメラコントロールとも呼ばれています。

カメラツールの種類

3Dカメラを動かすことの出来るツールは大きく三種類。 どれもカスタムビューの調整で使ったものと、動きは一緒です。

  • 周回:被写体を中心に、カメラが円弧を描くように周囲を回る
  • パン:上下左右の移動(カメラを振ったような変化)
  • ドリー:拡大縮小(被写体に近付いたり遠ざかったりする)

file

“シーンのまわりを周回”はコンポジションの中心を中心を軸に回ります。

カメラレイヤーがある場合

カメラコントロールでは、カメラレイヤーがあれば、カメラレイヤーのプロパティを変更します。 これは、カメラレイヤーのトランスフォームにも反映されますし、わかりやすいですね。

file

カメラレイヤーがない場合

ちょっと分かりにくいのが、カメラレイヤーが無い場合、つまりデフォルトカメラの時です。

同じく周回ツールでドラッグすると、プレビュー表示は変わります。 しかし、シェイプレイヤーのパラメーター(数値)には影響しません。 これはデフォルトカメラの目標点や位置を変更しているためです。

file

デフォルトカメラはレイヤーではないので、プロパティ値の確認はできません。 キーフレームも設定できませんので、カメラを固定する位置を変えるくらいのイメージです。

カメラツールでデフォルトカメラを動かしたけれど、元の真正面アングルに戻したい……という場合は、コンポジションパネルのプルダウンから「デフォルトカメラをリセット」で戻します。

file

カメラの目標点

カメラレイヤーでは、カメラの種類を2ノードカメラにしている場合“目標点”というプロパティがあります。 この目標点では、カメラの位置を変えても中央に映し続けたいもの(主役)を設定します。 ライトレイヤーで使った目標点と考え方は一緒です。

目標点を設定することで、カメラの位置を変更しても、フレーム内に対象のオブジェクト(主役)がずっと映るわけです。 反対に、目標点がズレていると、どれだけカメラの位置を変更しても主役は中央に映りません。

file

カメラ設定

前回のレッスンで、初期設定のまま進んだカメラ設定をもう一度見てみましょう。

カメラレイヤーのレイヤー名をタブルクリックすると、設定のポップアップが開きます。

file

上図、黄色い線で囲った部分は「どんなカメラで撮影していると仮定するか」です。 青色の数値は手打ちで変更もできますが、このあたりは動画編集というよりもカメラの知識が必要な部分。基本的には、変更する場合もプリセットから選ぶくらいで良いでしょう。

カメラ設定で、設定・変更する可能性が高いのは下図で赤線で囲った部分です。

file

カメラ設定の各項目詳細は、Adobe公式の『After Effects ユーザーガイド』をご確認ください。

After Effects でのカメラ、ライト、目標点
https://helpx.adobe.com/jp/after-effects/using/cameras-lights-points-interest.html

被写体深度を使用

「被写体深度を使用」は、被写界深度(被写体にピントが合う距離範囲)を適用するかを否かです。 その下にあるフォーカス距離が、ピントを合わせるために必要な距離を示しています。

適用した場合、ピントが合っていない距離にあるものは、ぼやけたように見えます。 被写体深度を使ってぼかしを入れたい時は、レンダラーをクラシック3Dにすると良いです。

file

上アニメーションのように被写体深度のオン/オフは、レイヤーのカメラオプションからも切替可能。
被写体深度の下にある、フォーカス距離、絞り、ブラーレベルで、ぼやける範囲や強さを調整できます。

ズームに固定

チェックが入っている場合、フォーカス距離をズームの値に合わせます。 カメラオプションの中にある“ズーム”のプロパティ値と連動しており、ズームやフォーカス距離の値を変えると自動的にチェックが外れます。

カメラの種類

カメラの種類を2ノードカメラにしていると、トランスフォームの上部に“目標点”と“位置”がありましたね。

目標点を固定したまま、位置のX座標、Y座標を変更してもカメラに映る映像(アクティブカメラ)の表示は変わりません。

file

例えば、星のシェイプが画面を横切っていくようにカメラを動かしたい場合は、目標点を変える必要があります。

file

ですが、目標点を変えてしまうと、ちょっと設定が複雑で分かりにくくなります。

カメラの種類で1ノードカメラを選択すると、目標点がないので位置変更だけで上のような動きは出来ます。 1ノードカメラに切り替えて動かすと、以下のようになります。

file

1ノードカメラの方がシンプルではありますね。 ただ、目標点が決められないので、被写体を軸にしたようなカメラの動きは作りにくいです。 これはこれで不便。

こんな時に使うのが、次のレッスンで使うヌルと呼ばれる特殊なレイヤーです。 ヌルを使うと、2ノードカメラで、1ノードカメラのような動きも設定しやすくなります。

実習

カメラレイヤーで、カメラの種類を1ノードカメラと2ノードカメラの動きの違いを確認してください。

  1. 2ノードカメラの状態で、カメラレイヤーの位置の値を変える
  2. カメラレイヤーのトランスフォームをリセットする
  3. カメラの種類を1ノードカメラに変更
  4. カメラレイヤーの位置の値を変える
  5. カメラレイヤーのトランスフォームをリセットする
  6. カメラの種類を2ノードカメラに戻す