SEOの対策でチェックすべき重要ポイント

いちばんやさしいSEO対策講座 ターゲティングとニーズ

吉田先生

キーワードの選定を始める前にサイトにどんな訪問者が来てほしいかを考えます。また検索するユーザーの背景にあるニーズをしっかりと理解しましょう。


◎ターゲティングとニーズ:訪問者のキーワードと検索意図

皆さん、クッキーはお好きですか?チョコチップが入ったものやアイシングで装飾されたもの、最近ではペット用のクッキーなどたくさんの種類がありますよね。あなたがお友達や家族へのお土産にクッキーを購入する場面を考えてみましょう。あなたが利用する最寄り駅付近でおいしい焼き菓子・クッキーを販売しているお店を探すためインターネットで検索をすることにしました。あなたはどんなキーワードで検索するでしょうか?

今度は逆の立場で考えてみましょう。あなたはスイーツを製造・販売している会社のWebサイトを作成することになりました。会社のウリは高級なチョコチップたっぷりのクッキーです。このクッキーをアピールする為にどんなワードを使うでしょうか?思わず「たっぷりチョコチップ」というワードを使いたくなりそうです。しかし実際に「たっぷりチョコチップクッキー」というキーワードで検索をかけているユーザー(訪問者)はどの程度いるのでしょうか。

最初にユーザーの立場でクッキーについて検索をかける場合を想像して頂きました。どのようなワードが浮かびましたか?「たっぷりチョコチップクッキー」というワードで検索しようと考えた方はいるでしょうか。おそらくいないのではないかと思います。このように、訪問者は必ずしもあなたの決めた愛称や言葉で検索をするとは限りません。

下の図を見てください。

これは「クッキー た」で検索した際のサジェスト(予測変換)の画面です。「クッキー たっぷりチョコチップ」はありますか?また、「たっぷり ク」と入力して「たっぷりチョコチップ クッキー」はでてくるでしょうか?ない、ということはこのキーワードは訪問者のキーワードではないということです。

・人気度も検索意図も重要

訪問者のキーワードであること(人気のあるキーワードであること)は大切ですが検索数の人気度だけではSEOには不十分です。最近のSEOでは「検索意図」、つまりどんな理由でそのワードを使って検索したかというワードの背景を探っていくことがとても重要です。例えば「プログラミング」であれば「プログラミング 独学」のようなキーワードをSEOでは派生語と呼びます。

もしあなたが「プログラミング」と検索するとしたら、どういう目的でそのキーワードを検索するか考えてみてください。プログラミングに興味があるので自分にあったスクールを探しているのかもしれません。もしくは独学で勉強したいので、おススメの動画や書籍の情報を知りたいという可能性も考えられますよね。

では「プログラミング アプリ」というキーワードの場合はどうでしょうか。勉強をしたい方にとっては「プログラミングを勉強する為のアプリはどのようなものがあるのか?」と学習用のアプリを探しているかもしれませんね。また既にプログラミングを勉強している方にとっては「自分でアプリを開発する為にはどのような手順を踏むべきなのか?」といったアプリ制作についての情報収集を行っているかもしれません。このように「プログラミング」というキーワードは大変人気がありますが、派生語によってニーズに違いがあるのが推定できます。

実際のGoogleの検索結果がどうなっているのでしょうか。「プログラミング」では検索結果の上位10サイトの内3つが総合的な情報のサイト、残りの7つのサイトがプログラミングの勉強方法やスクールに関連したサイトです。次に「プログラミング ゲーム」というワードで検索すると上位10サイトの内9つものサイトがプログラミングを学べるおススメのゲームを紹介したまとめサイトになります。つまりGoogleの検索結果はかなりユーザーの検索ニーズを反映したものになっています。この為プログラミング学習用のゲームの販売サイトで「プログラミング」というワードを使っての上位を獲得するのは難しいのです。

◎ターゲティングとニーズ検索意図の3分類

ユーザー(訪問者)の検索意図には以下の3つの考え方があります。

1.ナビゲーショナル(案内型)

2.インフォメーショナル(情報収集型)

3.トランザクショナル(取引型)

1.ナビゲーショナル(案内型)

ナビゲーショナル(案内型)は「Skillhub」「Amazon」など特定のサイトへ行きたいというニーズです。社名やサービス名などの固有名詞がほとんどです。このナビゲーショナルについては放っておいても通常検索結果の上位に来るためSEOではあまり重要視されません。

2.インフォメーショナル(情報収集型)

インフォメーショナルは「花粉症 症状」「花粉症 時期」など、何かを知りたい、悩みを解決したいというニーズです。

3.トランザクショナル(取引型)

トランザクショナル(取引型)は「花粉症 メガネ」「花粉症 マスク 通販」など購入ニーズのワードです。購入だけでなくダウンロードや資料請求などのやりとりも該当します。

SEOを考える上で重要なのは2のインフォメーショナルと3のトランザクショナルです。訪問者のニーズをくみ取り、コンテンツに反映する必要があります。

◎検索ニーズとタイミング

検索ニーズは「ある商品やサービスが急に話題になる」、「特定の時期や季節」といった要因でも急に高まります。例えばテレビで「朝バナナダイエット」が紹介されると全国のスーパーから突然バナナが消える(売り切れになる)、Twitterでバズる(話題になること)と話題になった商品が急に品薄になるいうような場合です。Googleは急に検索が増える言葉については検索結果をガラっと変えて今まさに最適な内容を表示します。常にニュースなどをチェックし、あなたのサイトに該当する商品やサービスがあるならばいち早く対策すると効果的です。

また季節については例えば「クリスマス」のようにオンシーズンになると急に検索が増える言葉です。行事は12月ですが検索ニーズはハロウィンの終わる10月から徐々に高まります。もしクリスマス関連の特集ページを作るのであれば夏にはページを作り月には公開で

きる状態にする…など検索ニーズが高くなる前に準備をしておくと良いでしょう。

◎ターゲティングとニーズ:サイトを訪問してほしいのはどんな人?

サイトで使用するキーワードを選定する前にまずはサイトにどんな訪問者が来てほしいかを考えます。SEOとは新規のお客さんを獲得するマーケティング手法です。その為ターゲットの理解を深めることが第一歩として重要です。

想像してください。あなたは友達からホームパーティーに招待されました。しかしホームパーティーに出席するのはこれが初めてです。実際には私も参加したことはありません。instagramでは#ホームパーティーで素敵な写真がたくさんヒットしますが、未だに日本でホームパーティーが行われているなんて都市伝説だと考えています。しかし、そんな穂0無パーティーに招待されました!「どんな服装がいい?」「お土産はどの程度の金額のものがいい?」「ドレスコードは?」など知りたいことがたくさんあります。そこでGoogleで「ホームパーティー」と検索してみたところ 約131,000,000 ものページがヒットしました。しかし検索結果にはホームパーティーで喜ばれるレシピや、インスタ映えするホームパーティーとは?のような読み物などのページが多く「招待された」あなたが知りたい情報を探すのは大変そうです。

では次は立場を変えてみましょう。あなたがホームパーティーを開くことになりました。あなたのパートナーやご家族、親友の結婚や就職、お誕生日など大切な相手を祝う為のパーティーです。

招待しているのも仲の良いお友達や家族などの数人です。大切な相手を精一杯お祝いする為に内装の実例や手作りの招待状のデザイン案などを知りたくて「ホームパーティー」と検索しました。しかし、先ほど見たように内容はオシャレなレシピや盛れる写真の撮り方などの情報が多く、今回も目的のページを見つけるのは難しそうです。このようにターゲットが「ホームパーティーに招待された人」か?「どんなパーティーを開きたいと考えている人」か?で選ぶべきワードが変わってきます。サイトで扱っている商材やサービスの向こうにどんなターゲットがいるのかを想定することで選ぶべきキーワードは異なるということです。

・ターゲットとなる人物像と検索ニーズを書き出してみましょう

では実際にターゲットとする訪問者を分析していきましょう。分析は訪問者の目的や検索行動を想定して表に書き出しながら行います。あなたが既に自分のWebサイトを持っている、もしくは作っている、作ろうとしている場合はご自分のサイトで考えてください。もしそういったものがなければ今回はレシピサイトを作ると仮定して考えてください。

まずはターゲットの性別や年齢を書きだしてみましょう。

例えばレシピサイトの場合ターゲットの属性を以下のように考えます。

レシピサイトの例

次にそこから想定する訪問者がどのような検索ニーズを持っていて、どんなキーワードで検索するかをイメージしていきます。例としてレシピサイトのニーズを1つ一緒に考えてみましょう。先ほど考えたターゲットとなる訪問者がレシピサイトを使用するのはどんな場面が考えられるでしょうか。例えば糖質制限のレシピがしりたいという場合、目的は決まっていて材料やメニューなどたくさんのレシピを探しているという場合はこのように書き出します。

ターゲットがどのような目的でどんなキーワードで検索するのかをなるべくたくさん書き出しましょう。ただし扱っている商材やサービスが多いサイトの場合はざっくりとした内容でかまいません。逆に限られた商材を扱う場合はなるべく細かくニーズを書きだすと良いでしょう。

グルメサイトの場合は扱っているサービスが多岐にわたる為このくらいざっくりと書き出せばOKです。

訪問者ニーズの例

ここまで準備が整ったら、いよいよ次のレッスンからキーワードについて学びます。

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